ドナルド・トランプ米大統領の長女イヴァンカ大統領補佐官をめぐるメール問題が、11月19日、ワシントンポスト紙によって暴かれた。
同紙はトランプ大統領とは「犬猿の仲」であり、反トランプメディアの最右翼と目されている。同紙によると、イヴァンカ氏は、昨年の一時期、私用のメールアドレスを用いて、ホワイトハウス関連の公用のやりとりを数百回以上しており、連邦法違反の疑いがあるという。
トランプ大統領は、その報道に対して、即座にイヴァンカ氏の強力な弁護に回った。イヴァンカ氏のケースは、私用のメルアドを公務に用いて、大問題となったヒラリー・クリントン元国務長官の場合とは多くの点でまったく異なる、というのである。
本欄でおなじみの憲法と刑法の両方に関わる法分野で、全米の最高権威として著名なハーバード大学ロースクールのアラン・ダーショウィッツ名誉教授も、イヴァンカ氏を擁護している。同名誉教授は、テレビ出演を通じて、「イヴァンカ氏のメール問題には、法的な論点さえない」と言い切っている。
「親トランプ」メディアとの関係に「ねじれ」
このイヴァンカ氏のメール問題に関しては、中間選挙で下院の多数党となった民主党が黙っていない。民主党の有力政治家であるイライジャ・カミングス下院議員は、来年1月に開会される議会で、イヴァンカ氏の調査に乗り出し、同氏を追及する構えを示している。カミングス議員は、メディアにできるだけ情報開示していくという政治手法を使う政治家として知られている。
その意味では、今後、メディアの論調がイヴァンカ氏のメール問題に対してどうなっていくか、トランプ大統領としては、これまで以上にメディアの論調に対して、慎重かつ効果的に対応していく必要がある。メディアの論調が、議会の調査のゆくえに大きな影響を与える可能性があるからだ。
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