東大生厳選、冬休みに読みたい「分厚い本」3冊 手強い大著も「読み方」次第ですっきりわかる

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まずは、僕が高校生にもオススメしている「会計の本」です。

東大入試にも使える『会計の世界史』

「会計」を軸に、金融・財政・経済における「革命」について語った『会計の世界史』。この本は424ページと厚めの本ではあるのですが、とても読みやすくてオススメです。

『会計の世界史』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ジョン・レノン、エジソン……歴史に名を残すさまざまな偉人が、その裏側で「会計」にどのように関わっていたのか? そこに行き着くまでの人間ドラマが、エンターテインメントのように語られています。

この本が面白いのは、15世紀から21世紀までのさまざまな出来事、関連がないと思っていた登場人物が、「会計」という軸で一本にまとめられ、「9つの革命」でひとくくりになって語られるところにあります。つながっていないと思っていたもののつながりが見えたり、一見無関係なものが1つになるのは、パズルのピースがくっつくかのような楽しさがあります。この本は、そんなモノとモノとのつながりが見えてくる1冊なのです。

■『会計の世界史』は「つながり」に気をつけて読む

だからこそこの本を読むときには、「つながり」に気をつけてみましょう。

「出来事と出来事とを結び付けて、新しい知識にする」「知識と知識を結び付け、話題と話題とをつなげる力」というのは、実は以前の記事(「東大が入試にぶっ込む『頭のよさを測る』問題」)でもご紹介したとおり、東大が入学試験で問う力です。

世界史の教科書を読んだり、時代モノの小説を読んでいるだけでは、なかなか「時代を超えたつながり」「その出来事の背景になっていること」は理解できない場合が多いです。僕自身も、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ジョン・レノン、エジソンといった歴史上の偉人が「会計」というくくりで見たときに、どのような影響を与え、どんな影響を受けていたのかなんて考えもしませんでした。おそらく皆さんも、「そんなの考えたことがない!」という人が多いと思います。

この本から学べることは、そういう「つながり」の考え方です。この本では、多くの世界史上の偉人・出来事がどのように「会計」という軸の中でつながっているのかが語られていました。「会計」と結び付けて考えていたのがこの本だったわけですが、今度は「会計」以外の別の何かと結びつけて考えられるように、「つながり」に注目するのがオススメです。

ちなみに僕はこの「つながり」を勉強してもらうという意味で、東大志望の受験生には必ずこの本をオススメしています。東大世界史でもこの本の内容にまつわる問題が多く出題されていますし、何より東大が求める「つなげる力」がモロに反映されているからです。皆さんもぜひ読んでみてください!

次ページ480ページでも長さを感じない1冊
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