東京駅を舞台にしたラブストーリー映画の魅力 本木克英監督「邦画には、こういう映画があってもいい」

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追い込まれたときは割り切りを早くさせること

――今回、東京駅の撮影はだいぶ追い込まれた状況だという話をされていましたが、追い込まれた環境に置かれたときはこうしたほうがいい、というようなアドバイスがあれば教えてください。

割り切りを早くさせる、ということですね。たとえば映画監督には撮影するうえで、必ず条件や制限があります。本当はワンカットに時間をかけて演出したい。しかし、そうすると効率が悪くなる。映画というのは永遠に残るものだから、効率なんか関係ないといってこだわって撮っていきたい。しかし、それはまずできないなと思えば、その判断を早めにする。割り切るということは別に悪いことではないと。そして限られた時間の中でいちばん大事なものは、どれと、どれと、どれだろう?と考える。そしてそれは絶対外さないようにする。

効率型に意識を変えることでしょうね。今回は、割り切る作業だと思いました、次があるとしたら、割り切った中で、最大の効果を出せると思います。今回はいい方向にいきましたが、基本はやはり自分が今やりたいようにやる、という意識がないといけない。嫌々やらされているみたいなことがあると、作品が世に出てそこを突かれると、誰のせいにもできなくなる。ちょっと、かっこいい言い方ですけど。

――この映画を見る方にメッセージをお願いします。

僕は今の日本映画には、こういう映画があってもいいと思って作りました。日本人が本来持っている、穏やかさと愛情みたいなものですね。それが映画の中から伝わればいいなと思いますし、観る方も、出てくる登場人物を自分のことのように身近な存在としてとらえてもらえるとうれしいなと思っています。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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