東京駅を舞台にしたラブストーリー映画の魅力 本木克英監督「邦画には、こういう映画があってもいい」

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――本木監督は松竹で仕事されてきて、今回、初めてワーナーで作品を作ることになりましたが、やり方というのはそれぞれで違っているのでしょうか?

テレビは各局でドラマを作っていましたが、映画を他社でやるのは初めてです。ただ、撮影に関しては本木組でやらせてもらったので、基本的に僕の撮り方を知っている人と仕事をすることができました。

しかし、作ってから一般の観客を集めて行う、リクルーテッド試写というのが2回ぐらいあった。それは製作途中の、編集して大体つないだものに仮音楽をのせて観客に見せる。そしてアンケートを取って、それを反映させていく米国式の手法です。

少し抵抗もありましたが、面白いかなと思って取り組みました。しかし、最初はいろいろなことを言われた。お客さんは本当に意外なところを細かくよく見ているなと感心しながら、アンケート用紙に目を通しました。映画に対していちばん厳しいのが30~40代の女性だということがよくわかりました。やはり目も肥えていますね。

こういう穏やかな愛を描いたものも、いいのではないか

――クリスマスを絡めたデートムービーで、仕事に切羽詰まっている人にはぜひ見てほしいと思いましたね。

そうですね。若い世代から年配の方まで、いろいろな世代が出てきますので、疲れたときにこういうキラキラしたものというのは、どうしても目を奪われますし、気持ちも癒やされると思います。その辺りはかなり意識はしました。バイオレンスとかすごく屈折した気持ちとか、日本人のプライドみたいな部分を描く作品が多いとも思っていたので、たまにはこういう穏やかな愛を描いたものも、いいのではないかと思っています。音楽もいいですし。ストレートにひねりなしで、映画の世界に浸ってもらいたいです。

――ここはすてきだというシーンをあえて挙げるならどこですか?

遠距離恋愛で仙台まで追っかけてきた木村文乃さんと東出昌大君の会話のところでしょうか。すてきだなというのは、芝居としてよかったなという点です。あと、東京駅前のクリスマスツリーの告白のシーン。あまりにもベタすぎてどうかと思いましたが、わりと基本的なラブストーリーの撮り方ですが、短時間でよくやったなと思っています。

(C)2013 「すべては君に逢えたから」製作委員会
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