日本人が知らない「ビッグデータ信奉」の限界

データだけでは「因果関係」まで導けない

将来、STEMをわれわれの関係はどうなっていくのだろうか(写真:metamorworks/iStock)
近年、ビジネスにおける「ビッグデータ」の活用が注目を集めています。ですが、その「限界」が見え始めてきました。アメリカの戦略コンサルティング会社「ReDアソシエーツ」創業者であり、『センスメイキング』著者・リスチャン・マスビアウ氏が解説します。

「世界の情報を整理し、誰もが使えるようにする」

マーク・ザッカーバーグは、2013年に行った証券アナリスト向けの電話会見で、フェイスブックが世界をもっとつなぐことに重点を置き、知識経済(知財やブランド、ビジネスモデルといった知識を基盤とした経済)を前面に押し出していきながら「世界を理解する」という新たなビジョンに取り組んでいくと、投資家に言った。そのうえで、この「理解」という行動が近いうちに次のようになると説明した。

「毎日、人々が何十億件ものコンテンツや交友関係を『グラフ』(フェイスブックのアルゴリズム検索のメカニズム)に反映しています。つまり世の中のことを網羅する、かつてないほどに明確なモデルづくりがユーザーのおかげで進行しているのです」

これは一例にすぎない。この手の大言壮語が、シリコンバレーから続々と出てくるのだ。グーグルが使命として「世界の情報を整理し、誰もがアクセスして使えるようにする」ことを掲げているのは有名な話だ。

また、活動量計の「JAWBONE UP」が人気のJAWBONEのソフトウエア担当バイスプレジデント、ジェレミア・ロビンソンは、2013年の『フォーチュン』のインタビューで、同製品のゴールについて「行動が変化する仕組みを科学的に解明すること」だと説明している。

ツイッターやスクエアのジャック・ドーシーは、起業家が集まった会場でスピーチし、ベンチャー企業はガンジーや建国の父らと同じ足跡をたどっていると語った。

ウーバーの共同創業者の一人で前CEOのトラビス・カラニック(2017年6月退任)は、2014年に発表したプレスリリースの中で、「どこの馬の骨ともわからないようなシリコンバレーの技術系ベンチャーだったウーバーが、成長・拡大に伴って世界中の都市に暮らす何百万人もの人々の生活手段になろうとしている」としたうえで、「立派に戦い抜いてきた」と自画自賛している。

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