東洋経済オンラインでは10月26日配信記事で、売り上げを長年にわたって伸ばし続けている「最新!『連続増収トップ363社』ランキング」を掲載した。
売り上げをいかに増やしていくかは、企業の成長にとって欠かせない。一方で、思うように売り上げを伸ばせず、逆に減らしてしまうこともある。需要の減退、競争激化、外部環境の変化など、さまざまな要因があるからだ。
そこで今度は逆に売り上げを減らし続けている会社の最新ランキングを紹介しよう。3715社の上場企業すべてを網羅している『会社四季報』(2018年秋号発売中)で集計したデータを活用。「連続減収年数が多い企業」のランキングを作成した。
直近本決算までに売上高が過去3年以上にわたって減っている186社が対象で、直近決算の売上高、営業利益、業種名、上場年なども併記した。
5年以上の連続減収は55社
今回、連続減収年数が最も多かったのは横浜丸魚の18年。神奈川の水産荷受けで、横浜のほか川崎に拠点を持っている。消費者の低価格志向や魚離れ、少子高齢化の進展による市場縮小などが影響し、減収が続いている。
2位は17年連続減収のさいか屋。神奈川の老舗百貨店で藤沢店や横須賀店が主力だが、ECの普及など消費活動の変化を受けて苦戦。2015年5月に川崎店を閉鎖して大きく売り上げが落ちた。
3位の小僧寿しは15年連続減収。持ち帰りずしチェーンの大手だが、回転ずしの台頭やスーパーなどですしを扱うお店も目立つようになり、競争環境が厳しくなっている。近年では、ラーメン店の撤退も売り上げ減に影響した。
本ランキングの上位企業を見ると、小売・卸売業が多く、すでにビジネスモデルや取り扱っている商材、サービスが色あせてしまい、外部環境の変化に対して抜本的な手を打てていない企業が目立つ。10年以上の連続減収企業は14社。5年以上で見ると55社となる。
どんな業界、企業であれ外部環境の変化によって、需要が減少する事態は生じうる。とはいえ、5年以上にわたって売り上げが減り続けていれば、「苦しい経営状態」といわれても仕方がない面はあるだろう。