企業は利益を追い求める存在だ。利益を出せなければ、経営が続けられなくなってしまうからだ。その利益には会計上いくつかの概念があるが、基本と言えるのが営業利益。
売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、さらに販売費および一般管理費(販管費)を差し引いた、いわゆる「本業の儲け」である。企業の儲ける力そのものを示す数値といえる。
東洋経済オンラインは、3715社の上場企業をすべて網羅している『会社四季報』(2018年4集・秋号発売中)で集計したデータを活用して、「連続増益年数が多い企業」のランキングを作成。「連続増収トップ363社」、「連続減収ワースト186社」のランキングに続き、最新版を発表する。
直近本決算までの実績をベースにしており、データがさかのぼれる1985年以降、また上場前後のデータの有無により、その企業の正確な連続増益記録とは異なる場合もあるものの、営業利益を伸ばし続けている会社の傾向をざっと把握できるはずだ。
20年以上の連続増益はわずか4社
1位はニトリホールディングスで31年連続増益。ニトリは北海道札幌市に本社を置く全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンだ。ニトリは1989年の上場前から「増収増益」を続けており、最近では東京都心での出店を強化している。
2位のヤオコーは埼玉を地盤とする食品スーパー。独立系で提案型の売り場づくりに定評があり、業界トップクラスの営業利益率を誇る。近年はPB商品を拡充しており、低価格で高品質の商品を求める消費者ニーズに応えている。
20年以上の連続増益記録を持つのはわずか4社。10年以上でみても27社と上場企業全体の中でも非常に限られた企業だけが達成している。
売り上げを増やし続けるのも、もちろん難しいが、営業利益となると、そのハードルはもっと高くなる。いくら優れたビジネスモデルや商材、サービスを持っていてもライバルとの競争はつねにある。
時には採算度外視の値引きで勝負しなければならなかったり、原材料や商品の仕入れ原価が高騰してしまったり、人材を採りすぎて人件費が想定以上にかさんでしまったりなど、想定外の事態もあるだろう。
そうした諸要因を乗り越えて、長年にわたって利益を伸ばし続けられる会社は経営力が強い。本ランキングは過去5年以上連続で営業利益を伸ばし続けている391社を網羅した。本ランキングに登場する会社で最も営業利益が大きかったのは59位で8期連続増益を達成した、東海旅客鉄道(JR東海)の6620億円だった。