9月5日に配信した、「役員報酬が高い」上場企業経営者トップ500ランキングは、大きな反響を集めた。上位には年収10億円超の高給役員の名前が並んだが、多くの読者にとっては浮世離れした話に聞こえたのではないだろうか。
しかし、企業のトップとして10億円プレイヤーになることは難しくても、取締役の1人として名を連ねる可能性ならもっと高いのではないだろうか。
そこで東洋経済オンラインでは、上場会社の役員に支払われる「役員報酬」の平均を企業ごとに算出。それらを当該企業の従業員の平均給与と比較し、役員と従業員の「年収格差」が大きい順にランキングした。
企業業績の好調を受け、役員報酬は増加傾向にある。役員報酬の平均が1億円以上となった企業は、57社あった。従業員と役員の平均に10倍以上の格差がある会社は133社だった。
ランキングに使用した役員平均報酬は、社内取締役(監査等委員会設置会社の監査等委員も含む)と、執行役の平均を算出したもの。監査役設置会社の監査役や社外取締役の報酬額は含んでいない。定額部分と業績連動部分、退職慰労金のすべてを合算した合計額で計算している。単年度ごとに調査しているため、調査年度に取締役の退職が重なると、例年に比べて平均報酬額が上昇する場合がある。
1位のネクソンの給与格差は約60倍
ランキング1位は、PC向けゲームで知られるネクソン。「メイプルストーリー」や韓国で配信中の「FIFAオンライン4」などが人気タイトル。ネクソンの役員平均報酬の3億3133万円は、従業員平均年収の556万円の約60倍になる。社内取締役3名のうちトップ2名の報酬が1億円以上で、代表取締役のオーウェン・マホニー氏の役員報酬額は7億7200万円で、従業員の約139倍の報酬を得た計算になる。同じく1億円以上の報酬を得ている朴智援氏は3億6500万円だった。
2位はソニーで、5億4265万円。従業員との格差倍率は53.9倍で、1億円以上の報酬を受け取った役員は9人いた。今年社長を退任した平井一夫氏の報酬が27億円超と群を抜くが、これは株式退職金として11億8200万円を受け取ったことによる。ソニーの従業員の平均年収は高水準であるものの、こうした特殊要因もあって、昨年の27位から2位にランクアップした。
ランキング6位はファーストリテイリング。社内取締役は創業者でCEOの柳井正氏のみで、役員報酬は2億4000万円だった。ただ、柳井氏は保有する同社株の配当収入として80億円以上を得ており、その額と比較すると格差は1000倍以上となる。
今年約7兆円の大型買収で注目を集めた武田薬品工業が11位にランクイン。従業員との格差は26.1倍で、平均役員報酬は2億7114円だった。特に代表取締役社長のクリストフ・ウェバー氏は、12億1700万円の報酬を得ており、その額に見合う成果が求められている。
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