欧米に比べ低いとされる日本の経営者の報酬。それでも、日本企業の役員報酬は近年、高額化している傾向がある。東洋経済が9月3日に発売した『役員四季報2019年版』には上場3708社、4万1000人超の企業役員の最新人事データを収録。本稿では、その中から年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業役員トップ500人をランキングで紹介する。
1億円以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は、その事実を有価証券報告書への記載で開示する義務がある。今回の集計対象は、2017年5月~2018年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を有価証券報告書で開示した上場企業だ。
退職金11.8億円のソニー平井氏がトップに
1位は、ソニーの平井一夫氏。役員報酬総額は27億1300万円だった。平井氏は2012年から社長を務めていたが、2018年4月1日付で退任。平井体制でCFOを務めていた吉田憲一郎氏にバトンを渡していた。6年間の功績、とりわけ2017年度に20年ぶりの最高益更新に導いた功績への対価として支払われた株式退職金は11億8200万円に上る。
続いて2位には米国セブン-イレブンのトップであるジョセフ・マイケル・デピント氏が、24億0300万円(セブン&アイ・ホールディングス取締役)でランクイン。3位から5位はソフトバンクグループの経営陣が占めた。
著名経営者としては、前回記事(2015年度のデータ)で5位につけていた日産自動車のカルロス・ゴーン会長がいるが、今回は18位にランクダウン。ただ、2016年に傘下に入れた三菱自動車の会長としても136位にランクインしており、両社からの報酬を合算すると9億6200万円となり、11位に入る計算だ。
役員報酬総額が10億円を超える役員は10人。うち7人が外国人だ。一般的なサラリーマンの生涯給料の目安といわれる2億円以上は179人に上った。2年前のデータでは同123人だったことを考えると、日本企業における役員報酬の水準は上がっていると言えるだろう。
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