企業の業績で基本となるのは、言うまでもなく売り上げ(売上高)だ。
商品やサービスの販売など、企業の主たる営業活動によって得た収益である。定款によって定められた事業からの収入であり、ここを継続的に伸ばしていくことが企業経営の基本であり王道だ。
だが、いくら優れたビジネスモデルや商材、サービスを持っていても消費者の好みや外部環境もさまざまに姿を変える。売り上げを伸ばし続けるのはたやすくない。にもかかわらず、30年以上にわたり、売り上げを伸ばし続けている会社もある。
東洋経済オンラインは、3715社の上場企業すべてを網羅している『会社四季報』(2018年4集・秋号発売中)で集計したデータを活用して、「連続増収年数が多い企業」のランキングを作成した。
直近本決算までの実績をベースにしており、データがさかのぼれる1985年以降、また上場前後のデータの有無により、その企業の正確な連続増収記録とは異なる場合もあるものの、売り上げを伸ばし続けている会社の傾向をざっと把握できるはずだ。
20年以上の連続増収企業は28社
1位は32年連続増収の加藤産業。兵庫県に本社を置く国内4位の食品卸で、関西に強固な地盤を持ちながら全国展開し、海外進出にも意欲的だ。
続いて2位のニトリは北海道札幌市が本社の全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンだ。3位のアークスも本社は北海道札幌市。主にスーパーマーケットを経営する食品流通グループで、地元北海道のほか、青森、岩手の東北2県でトップシェアを誇る。
20年以上の連続増収企業は28社、10年以上は141社で、本ランキングは過去8年以上連続で売り上げを伸ばし続けている363社を網羅した。連続増収企業の上位に目立つのは食料品や小売、サービス業だ。
これらは幅広い地域への展開を進めることが客層の拡大に直結し、売り上げを積み上げやすいモデルではある。
一方で、進出した地域での売り上げを守ることは、決して簡単なことではない。優れたビジネスモデルと同時に、競争力の高い商材・サービスであったり、競合相手の少ない独自の商材・サービスなどがないと難しい。