三大都市圏の一角を占める中京圏。トヨタ自動車を核に自動車産業が集積し、大きな経済圏を形成している。
東洋経済オンラインは上場企業を対象に各社の40歳社員の年収を推計。全国5地域(「東京除く関東」「東京」「中部」「近畿」「北海道・東北、中国四国、九州沖縄」)に分けてまとめた。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京都除く関東324社」「近畿590社」の40歳推計年収ランキングをお届けしてきたが、第5弾として中部地方(愛知、岐阜、静岡、福井、石川、富山、新潟、山梨、長野)に本社を置く415社のランキングを発表する。
単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は除いた。有価証券報告書の公開データと厚生労働省が調査・公表している「平成29年賃金構造基本統計調査」を基に、業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースの多い、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いた。また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
上場企業が公表しているのは平均年収だが、企業によって平均年齢も異なる。そのため比較条件をそろえてみることで、あくまで理論的に割り出した推計値ながら一定の目安となるはずだ。
1位はファナック、700万円超は41社
1位はファナックの1313万円。前年比でも約50万円のアップとなった。工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のメーカーで、産業用ロボットなどでも力がある超優良企業として名高い。本社の山梨県に勤める社員は、大都市に比べて相対的に安い物価からゆとりのある生活を送っているものとみられる。
2位はトヨタ系の総合商社、豊田通商の1026万円で、3位は鉄鋼と機械の専門商社である岡谷鋼機の860万円と、2、3位には愛知県の商社が続いた。4位は時価総額日本一のトヨタ自動車で、841万円となった。ほかにも10位豊田自動織機(796万円)、15位デンソー(769万円)など、トヨタ系の有力企業が上位に名を連ねている。