サッカー日本代表、森保監督に問われる手腕 五輪とA代表は基本的にリンクさせる方針
――あの経験が代表監督になった今、個性ある選手を束ねるうえでのプラスになっているのではないですか?
「おっしゃるとおりです。選手にはいろんな個性があるし、十人十色、千差万別。それを認めて、持っているものを見られるようにしたいと考えています。たとえば、パズルにしても、全部が同じ形ではないですし、1つひとつが結び付いて、すばらしいアートになりますよね。
サッカーも11人でやるスポーツでいろんな個性がある。それぞれのストロングな部分を出し、足りないものは補い合えば、チーム力を高めていける。そう私は思っています」
――ドーハの悲劇から25年経った2018年のロシアワールドカップで、日本は3回目のベスト16進出を果たすところまで来ました。この進化をどう捉えていますか?
「個の能力がとても大きくなり、強くなった印象は受けます。日本のサッカー界の成長スピードも非常に速い。急激な成長曲線を描いていると思っています。もちろん世界も成長しているので、なかなか一気にトップオブトップには行けないですけど、日本の成長だけを見れば著しい速度だと感じますね」
ポーランド戦は日本代表が大きく変わった試合だった
――それを如実に感じた瞬間は?
「ロシアワールドカップではそれが見て取れました。日本サッカーは世界とどう戦っていくべきかを視野に入れて、これまで指導者養成を進めたり、日本代表に外国人の監督を招聘したりしてきましたけど、ロシアでは西野さんが歴史をつなぎ合わせて『日本人はこういう戦い方をするのがいいのではないか』ということを示してくださったと思っています」
――具体的にはどの試合ですか?
「すべてだと思いますけど、ポーランド戦(ボルゴグラード)は日本のサッカー界がとくに大きく変わった試合でした。日本人のよさというのは試合を通して勤勉にやり続けることですけれど、やはり試合は勝負事。
議論を呼びましたが、あの時は次のステージに行けるかどうかの大きな分かれ目で、そのために何をすべきかを考えなければいけなかった。勤勉にやり続けることは一緒ですけれど、賢い戦い方に変えました」
――あの采配は、森保さんが指揮を執っていたらできましたか?
「自力で勝ち上がってベスト16に進むというのは大前提ですけど、サッカーにはいろいろな要素がある。今でも西野さんが決断されたことは最善だったと私自身も思っています」
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