獺祭チョコレートはなぜこれほど人気なのか こだわりは「磨き二割三分」だけではない

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このように、もともとは「利き酒ショコラ」として始まった獺祭ショコラ。現在販売されているものは、2014年に期間限定商品として発売された。

「そのとき獺祭を探したら、人気が出すぎて手に入らなくなっていました。そこで旭酒造さんと直接取引させていただくことになりました」(三枝氏)

このように日本酒をスイーツに使うことに関して、旭酒造にはどのようなメリットがあるのだろうか。

旭酒造代表取締役社長の桜井一宏氏(筆者撮影)

「一流の職人の方が当社の最高峰の日本酒で最高のスイーツを手がけることは、当社のブランドを引き上げる支援になると考えています。

ただ、日本酒のスイーツは増えているし、今後も増えていくと思いますが、本当に難しい素材だと思います。きれいな味なので、チョコレートの強い味わいと合わせると、物足りなくなってしまう。アルコールのパンチがある、蒸留酒のほうがバランスを取りやすいでしょう。

しかしパレ ド オールさんのチョコレートは、獺祭のおいしさをうまく表現しています。当社とのお付き合いも長く、おそらくマイナーチェンジしていると思いますが、時を積み重ねた分の成長を続け、高い完成度に仕上がっています」(旭酒造代表取締役社長の桜井一宏氏)

成長を続けてきている獺祭ショコラ

獺祭ショコラはパレ ド オールだけでなく旭酒造の獺祭ストアでも販売しているが、旭酒造側でも年間を通して人気の高い商品。

「バレンタインデーにはパレ ド オールさんと在庫の取り合いになる(笑)」(桜井氏)ほどという。

桜井氏の予想どおり、味の追求・研鑽にいとまがない三枝氏の手で、獺祭ショコラは成長を続けてきている。

2014年11月、国内でも先駆けて、カカオ豆から成形に至るまでのチョコレート制作の全工程を一貫して手がけるBean to Barを開始。工房併設の店舗を山梨県清里高原にオープンした。Bean to Barは、三枝氏がフランス・リヨンの「ベルナシオン」にて故モーリス・ベルナシオン氏から学び、強く感銘を受けた、いわば三枝氏にとっての原点だ。

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