獺祭チョコレートはなぜこれほど人気なのか こだわりは「磨き二割三分」だけではない
世界でも名を知られる日本酒と、素材にこだわり抜いたチョコレート。その2つが見事に融合し、密かに人気を集めている。ショコラティエ パレ ド オールの獺祭ショコラだ。6個入りの箱で2300円と、いわゆる「高級チョコ」ではあるが、年間を通して売れ続け、バレンタインデーシーズンには1カ月で2万箱も売れるなど、同店でも随一のヒット商品となっている。
より獺祭の味が引き立って感じられるチョコレート
獺祭のネームバリューが急上昇していることも、商品人気を高めている理由だが、それも確かな品質というしっかりした基盤に支えられているからこそ。つまり、おいしいから売れているのだ。
どんな味なのかというと、「獺祭を含んだときの、スッキリとしていながらふくよかに広がる香りが、チョコレートのなかに違和感なく溶け込んだ味わい」とでも表現できるだろうか。内側のガナッシュは絶妙になめらかで、口のなかでスッと溶ける。テイストはビターとミルクチョコレートの2種類があり、やさしい味のミルクチョコレートタイプには、表面にちょっと塩があしらわれている。升でお酒を飲むときに、角に塩を置く発想だ。ビタータイプのほうは、より獺祭の味が引き立って感じられる。
同店は2004年、関西初の本格ショコラティエとして大阪西梅田にオープン。チョコレートの本物の香りにこだわったチョコレートづくりがコンセプトだ。2007年には東京丸の内店を開店。同店のショーケースには、カカオそのものの味わいをそのまま楽しめるシンプルな「パレ ド オール」のほか、和の素材や果物などとのコラボレーションを味わえる、さまざまなボンボンショコラがずらりと並ぶ。
同店での獺祭ショコラのスタートは存外古く、丸の内店オープンの翌年、2008年バレンタインデー期だという。もともとは「利き酒ショコラ」という商品で、5種類の日本酒を使ったチョコレートの詰め合わせだった。
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