フランス情勢不穏、「マクロン対策」の微妙感 最低賃金引き上げなどではおさまらない?

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8日のデモには、フランス全土で12万人以上が参加した(写真:Stephane Mahe / REUTERS)

「後退するのではなく強力な手段(の遂行)、迅速な減税、政府支出の適切なコントロールによって経済や社会の危機的な状況に対応する」。燃料税の引き上げに端を発した大規模な抗議行動が続くフランスで、12月10日午後8時、エマニュエル・マクロン大統領が国民に向けてテレビ演説を行った。

これに先駆けて、フランスのテレビ局が演説の中身を予想する番組などを放映。関心の高さをうかがわせた。

抗議行動が始まってから初めて演説をしたマクロン大統領(写真:Ludovic Marin / Pool via REUTERS)

今回、大統領は演説の中で、①「SMIC」と呼ばれる最低賃金を月100ユーロ引き上げ、②残業賃金に対する非課税、③月2000ユーロ以下で暮らす年金生活者を対象に、「一般社会拠出金(CSG)」と称される社会保障関連の税の引き上げを見送り、④企業に対して2018年末のボーナス支払いを要請、そのボーナスは非課税扱いに、との内容の対策を公表。オリヴィエ・デュソプト行動・公会計大臣付副大臣は、こうした措置に伴う政府側の負担増が80億~100億ユーロに達するとの試算を明らかにした。

「フランスの企業はフランスで税金を払うべきだ」などとも述べ、格差に対する不満を抱くデモ参加者に理解を示した。一方で、「暴力が引き起こされたら、自由が止まってしまう」とも語り、冷静に対応するよう呼びかけた。

8日のデモには12万人以上が参加

「黄色いベスト(ジレ・ジョーヌ)の危機」――。フランスのメディアは今回の抗議行動をこう表現する。大規模なデモは8日も行われ、国内で約12万5000人が参加。週末のデモはこれで4週連続になる。

デモ隊の批判の矛先はマクロン大統領へ向かい、学生や環境問題への対応に不満を抱く人も加わるなど広がりをみせる。8日は「ジレ・ジョーヌ」を身にまとった人々がパリだけでなく、ボルドー、マルセイユ、ナントなど全国各地に拡大。パリでは暴徒と化したデモ参加者の一部が商店などを襲撃した。ボルドーでもデモ隊と警察が衝突し、全国では計2000人近くが取り調べを受け、警察は1300人余りを拘束。デモ隊と警察の双方に合わせて130人超の負傷者も出た。

現地のテレビは、商店の窓ガラスをたたき割ったり略奪したりするなどの行為、デモ隊と警察の衝突の模様などを繰り返し放映した。パリ8区のサン・ラザール駅近くにあるスターバックスの店内は壊滅状態。同じくパリでは多くの治安維持隊が動員され、参加者の投石に催涙ガスや放水などで応酬した。デモの鎮圧には騎馬隊も出動。テレビの出演者の1人は騎馬隊まで投入されたことに驚きを隠せない様子だった。

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