「株が現金より運用成績悪い」異常が示す予兆

アメリカで「キャッシュ」が魅力的になっている

<上昇しているもの、過去1年間、2018年11月末現在>
●インドSENSEX……+9.2%
●ブラジルボベスパ……+24.4%
●REIT(グローバル)……+2.3%
<下落しているもの(左が年初、右が直近、単位省略、12月7日現在、筆者作成)>
●NYダウ平均……24824.01→24388.95(-1.8%)
●S&P500……2695.81→2611.08(-3.1%)
●ナスダック……7006.898→6969.25(-0.5%)
●日経平均株価……23506.33→21678.68(-7.8%)
●中国上海株……3348.325→2605.89(-22.2%)
●ハンセン指数……30515.31→26063.76(-14.6%)
●WTI先物……57.81→52.13(-9.8%)
●NY金先物……1342.3→1254.00(-6.6%)
●ビットコイン(ドルベース)……13480.01→3400.00(-74.8%)

言うまでもないことだが、指数がすべてを表しているわけではない。それぞれ個々の銘柄によっては大きなパフォーマンスを上げているものも当然ある。ファンドなども、市場が下落していても大きな利益を上げているものも数多くある。

AI(人工知能)も2018年は敗者だった?

とはいえ、市場がこれだけ大きく乱高下したことで、投資環境の変化は否定できない。2018年は、投資環境にとっては大きな転換期だったと言っていいだろう。とりわけ、アメリカの「FAANG」に代表されるハイテク企業は大きく乱高下した。

FAANGというのは、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アップル(AAPL)、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)の5大ハイテク企業のことだが、各銘柄ともに年初来のリターンを見ると、20~40%程度下落している。これまで、株式市場を牽引してきた代表的な銘柄が大きく下げた形だ。

要するに、2018年の金融市場をざっくりと見れば、素材や通信サービス、エネルギーといったセクターを中心にアメリカの株式市場が大きく下落し、さらに金利の引き上げで債券価格も下落し、金や原油といったコモディティーも値を下げた。投資環境として目立ちはしなかったが、勝者は誰もいなかった。そんな1年だったと言っていい。

実際に、資産運用ではプロ中のプロであるヘッジファンドが、今年は大きく負け越している。とりわけ、コンピューター(AI)によるプログラム売買を得意としている「マネージド・フューチャーズ」などは、人間のファンドマネジャーが中心になって相場の投資判断を行う「グローバルマクロ」よりもひどい負け方をしている。

モルガン・スタンレー・プライムブローカレッジ・グループのリポートでは、世界の株式ヘッジファンドの年初来リターンの平均は-5.9%(10月29日現在)となっている。とりわけ、10月の株価急落後は過去7年で最悪のパフォーマンスとなっている。

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