子どもの「やりたくない」をやる気にする秘訣 つい夢中になってしまう仕掛けとは何か

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ただ、仕掛けには、注意が必要になります。そう言っておきながら、親御さんが、宿題をしなかったのにゲームをすることを許したりすれば、余計に言うことを聞かなくなってしまいます。「宿題しなくても、ゲームできたじゃん」という「負の成功体験」をすでにしてしまったからです。「お父さん、お母さんの言うことなんて、聞かなくても困らないや」。子どもはそんなふうに思ってしまうからです。

課題・制限・報酬の3つでワクワク・ウズウズさせる

そもそも子どもたちが「勉強はつまらない」と思い込んでしまうのはなぜでしょう。

本来、学ぶことは楽しいはずなのです。知識が増え、考えが深まって、できないことができることに変わっていく。それが学びです。

しかし、子どもたちの多くは、勉強が「つまらないもの」に思えてしまいます。「これをやりなさい」「あれもやりなさい」と言われ、子どもたちにとって勉強は「やらされるもの」になりがちです。

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だから僕は、子どもたちに「これをやってみよう!」と提案するとき、学ぶ楽しさを知ってもらうために必要な3つのものを用意します。

1つ目は、「課題」。

「やってみよう」と提案するとき、必ず「これから何をやるのか」「どうやるのか」をわかりやすく説明します。

2つ目は、「制限」。

「課題」を出すとき、同時に何らかの「制限」をつけるのです。できることが限られると、子どもたちは許された範囲でできる最大限のことは何か、どうすればそれをやれるのかと、ワクワクしながら考えはじめるからです。

3つ目は、「報酬」。

「課題」を達成したあかつきに、子どもたちが手にすることのできる成果やご褒美について、最初にきちんと提示してあげます。

この3つを提示することで、子どもたちは見通しを自分で考え、そして自分たちで答えを導き出し、勉強を「やらされるもの」から「やりたくてたまらない」ものにしていくのです。

沼田 晶弘 国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

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ぬまた あきひろ / Akihiro Numata

1975年東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。 スポーツ経営学の修士を修了後、同大学職員などを経て、2006年から東京学芸大学附属世田谷小学校へ。児童の自主性・自立性を引き出す、斬新でユニークな授業はアクティブ・ラーニングの先駆けといわれ、数多くのテレビや新聞、雑誌などに取り上げられている。教育関係のイベントはもちろんのこと、企業からの講演依頼も精力的に行っている。著書多数。学校図書生活科教科書著者。ハハトコのグリーンパワー教室講師。Twitter:ぬまっち(沼田 晶弘)@小学校教諭/@88834

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