環境問題に一石投じる斬新なインスタ活用術 多様な生命守る「#ANIMAL_SELFIE」の意義
堀:WWFの皆さんは、これまでにもさまざまな支援の形を提案されてきましたね。具体的に教えてください。
江上:我々は「身近に感じられる寄付の形」をテーマに取り組んでいます。例えば、「WITH STAMP」というハンコを作りました。皆さんの名字に絶滅危惧種を組み合わせ、印鑑にしてお届けするという取り組みです。自分の苗字をきっかけに新しい動物を知ってもらえればという思いです。
堀:どんな名前でもオーダーできますか?
河村:日本人の9割はカバーしたのですが、残念ながら1割対応できなかったものもありました。残念ながらこのキャンペーンは終わってしまったので印鑑のご購入はしていただけないのですが、自分の名前を作っていただくことはできるので、ぜひサイト上でご覧になってみてください。
多彩な企画で動物たちへの寄付を
江上:また、「ネイルのデザインに絶滅危惧種を入れてみよう」と、「Donail」という取り組みも行いました。ファッションに取り入れた支援の形です。
堀:なるべく日常の中に入っていけるということですね。逆に言うと、日常の中に入っていかないと、まだまだ意識の壁が高かったということですか?
河村:おっしゃる通りです。環境問題に限らず、社会課題は興味がないものを身近に感じてもらうのは難しい。自分も「知ってる?」と聞かれたら、知らないこともいっぱいある。それを考えると、当たり前なのかなと思います。「知っておいた方が良くなることが多い」という気持ちでやっています。
堀:社会問題のタコツボ化してしまうというか。例えば子どもの貧困でも、その問題を取り組んでいるチームや関心のある方々はどんどん詳しくなっていくのですが、一般的な感覚から離れていってしまうという側面もある。それを接続するような取り組みをしているということですね。
江上:はい。もう一つの取り組みが、「PANDA BLACK」です。「ひとつの服を大切に着る」というコンセプトです。少し汚れてしまっても、黒で染めて違う人に受け継いでいく取り組みです。
堀:ちょっと黄ばんだり、シミがついたりしたものを、黒に染め直すということですね。
江上:少し手を加えると、身近に感じてもらうことができます。
河村:欲しくなるものじゃないと、やはり人は行動を起こしにくい。綺麗な黒に染められるよう、京都の老舗染色屋「京都紋付」さんにお願いしました。
堀:こういうキャンペーンって、参加するとすごくワクワクできますよね。