環境問題に一石投じる斬新なインスタ活用術

多様な生命守る「#ANIMAL_SELFIE」の意義

:「ワシントン条約」によって条件付きで輸入しなければならないものが、日本でペットとして売られている現状があるということですか?

河村:すごく細かく申し上げますと、許可があれば輸出できます。また、日本で繁殖させた個体は、日本の法律上は問題ではありません。ただ、需要が大きくなると、「違法取引して儲けたい」と密輸を始める方がいて。日本だと1頭が約100万円で売られています。例えば、東南アジアから10頭密輸して、「5頭は死んでしまっても、5頭売れば500万円の儲けだよね」ということが起きています。約1年前も、日本の女子大生が10頭密輸して税関で摘発されたというニュースがありました(参照)。

:そうですか。この写真を見なかったら、「コツメカワウソ」の密輸の問題は知らなかったです。買っている側は、「それが密輸かどうか分からない」ということもあるんですか?

河村:多いです。残念ながら「トレーサビリティ(追跡可能性)」が全く確立されていないので、日本で繁殖したのか密輸で入ってきたのかは、全く分からない。ペットショップがこうだと言えば、お客様はそれを信じるしかない。そもそも問題が知られていないので、そのまま買ってしまう人も多いです。「#ANIMAL_SELFIE」を通して問題を知り、ペットとして飼いたいと思っても「本当にいいのかな?大丈夫なのかな?」と考えてほしいと思います。

:この情報を知っていたら、ペットショップで「コツメカワウソ」を見た時に、「どういうルートで仕入れられたんですか」と一言確認できますよね。

森林伐採によって絶滅の危機に瀕している動物も

河村:「#ANIMAL_SELFIE」から、「アムールヒョウ」も紹介させてください。「アムールヒョウ」が両腕でスマートフォンを持っているような写真にしています。「アムールヒョウ」の問題は、「#(ハッシュタグ)」にもあるように、「#森林伐採」「#森林火災」「#生息地の喪失」など、すみかが失われているということです。

「アムールヒョウ」はロシアの極東に位置するアムール州に生息しているのですが、ロシアでの過剰な森林伐採によって、すみかがどんどん無くなっています。個体数は、2007年のWWFの調査によると、わずか27〜34頭(参照)。小学校の1クラスの児童数よりも少ない個体数になっていました。しかし、WWFの自然保護活動が実り、10年経って現在は84頭になっています。新たに「アムールヒョウ」の赤ちゃんが生まれてきているので、次第に増えていっているのが分かっています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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