若者よ、「古傷がうずく」と言える人になれ

モビーダ・ジャパンの孫泰蔵CEOと語る(下)

「日本社会をアントレプレナリアル(起業家的に)に変える!」——。
それが、本連載の著者であるWiL共同創業者・伊佐山元氏と今回の対談相手のモビーダ・ジャパンCEO孫泰蔵氏の共通の想いである。
今回の対談は、孫泰蔵氏がCEOを務めるモビーダ・ジャパンのオフィスで行われた。モビーダ・ジャパンは、ベンチャーを育成・支援する環境、場、コミュニティの構築、提供を行い、植物の生態系のような循環環境にヒントを得て、「ベンチャーエコシステム」をつくることに取り組んでいる。
そんなスタートアップのための場で、世界を舞台にベンチャーシーンで活躍する2人の対談で話題になったのは「成功」ではなく、その反対である「失敗」の存在。第2回目は、メディアで注目される大きな成功例の影にある、小さな数々の失敗に目を向けることの重要性をテーマに語っていただく。

対談前編 僕が日本に“シリコンバレー”をつくる! はこちら

孫泰蔵さんこそ「現代のロールモデル」

――お二人の出会いを教えてください。

伊佐山 元(以下、伊佐山):泰蔵さんとの出会いは、5年前の前職・DCM時代に、投資先だったインターネットメディア系のベンチャー(中国SNS・人人(レンレン)、RockYou、Ustream)の日本進出時に、手伝っていただいたことがきっかけです。当時、海外ベンチャーの日本進出を裏で支えていたのが泰蔵さんで、日本側でジョイントベンチャーの立ち上げをされていました。

以前から、名前は存じ上げていたのですが、実際にお会いして衝撃を受けましたね。同じ年齢なのに、世界でサバイバルし、日本で輝かしい実績があるにも関わらず、「謙虚」で「カジュアル」。そして、日本のスタートアップシーンを盛り上げるべく動いていた。日本にそういう人がいると思っていませんでしたから。また、泰蔵さんは海外で生活したことがないにも関わらず、僕が驚愕するぐらい“交渉”や“交流”をしている。一人の人間として尊敬しています。

孫 泰蔵(以下、孫):海外留学経験もありません。実際、30歳くらいまで、あまり英語が話せませんでした(笑)。

伊佐山:僕はこれからの時代、若い人は泰蔵さんをロールモデルにすべきだと思っています。日本の「賢い人」は、一生懸命、“論理的”に“計画”を練っている。これは予測可能性が高い時代ではうまくいくと思います。ただ、現在のようにこの先どうなるかわからない時代では、まず“動く”ことが重要になる。「やりながら覚えていく」ということが必要ではないか――と思っているのですが、まさにそれを体現しているのが泰蔵さんなんです。

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