「習主席訪朝のうわさ」に中国が沈黙する理由 アメリカとの貿易戦争が影を落としている?

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一方、中国メディアは今のところ、習氏が近く訪朝するという観測については沈黙を貫いている。同国メディアは70周年記念式典のときも習氏が出席するかどうかには直前まで触れなかった。これと同じ対応だ。

10月5日には北京で中国の孔鉉佑(こう・げんゆう)外務次官兼朝鮮半島問題特別代表と北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が会談している。海外の中国語メディアでは何カ月も前から習氏の訪朝が取り沙汰されてきたが、このとき中国メディアは「両国は朝鮮半島問題について意見交換した」と伝えただけだった。

習氏が訪朝するとのうわさについて中国が沈黙を守っているのは、訪朝のタイミングに関して中国指導部に迷いがあるからだろう。米中の貿易戦争は南シナ海での軍事的緊張に発展しつつあるため、習氏の関心は目下、この問題に集中している。また、このようなタイミングで習氏が訪朝すれば、アメリカとの関係は一段とこじれかねない。

中国が周辺国「囲い込み」に力を入れるワケ

中国は今、韓国と北朝鮮に加えて、ロシアや日本(ロシアほどではないにしても)の囲い込みに力を入れているが、これにはいくつか理由がある。

まず、北朝鮮国境地域の安定を強化し、中国東北部の経済発展につなげるためだ。中朝の関係改善を通じて北東アジアの投資機会が拡大すれば、同地域で影響力拡大を狙う中国にとってはあらゆる面でプラスとなる。

また米中貿易戦争が加熱する中、中国は近隣諸国との連携強化によってアメリカ経済への依存度を引き下げようとしている。周辺国でもアメリカの保護主義に対する懸念が強まっており、こうした懸念の広がりは地域連携を加速させる追い風になる、という計算も中国にはある。

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