金正恩が自国をみすぼらしいと卑下したワケ 南北会談での接待攻勢は何を意味するのか

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北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は韓国の文在寅大統領に対し、異例づくめの高待遇を行った(写真:Pyeongyang Press Corps / REUTERS)

まさに破格的な厚遇、「国賓扱い」と言ってもいいだろう。金正恩・朝鮮労働党委員長は、南北首脳会談のため空路平壌入りした韓国の文在寅大統領を空港まで夫婦で出迎え、一緒に市内を車に乗ってパレード。さらには、北朝鮮の心臓部である朝鮮労働党の庁舎で首脳会談を行った。

世界の目は、正恩氏が繰り出す接待攻勢に釘付けとなった。その狙いは、中国と激しい貿易摩擦を起こしているアメリカのドナルド・トランプ大統領の注意を引くため、伝統的友好国の中国から離れて、韓国との経済協力を強める姿勢をアピールすることにある。金委員長の狙いは、冷めた状態になっているトランプ大統領との関係を改善し、6月に続く2度目の米朝首脳会談を実現することだ。

「みすぼらしい」と自ら口にする率直話法

平壌訪問初日である9月18日のキーワードは「みすぼらしい」だった。

正恩氏は文大統領夫妻が泊まる宿舎の百花園迎賓館を直接案内し、敬語を交えて、こう切り出した。

「大統領は世の中にある多くの国を訪ねられたでしょうが、発展した国に比較すれば(百花園迎賓館は)みすぼらしいです」「たとえ水準は低くても最大限誠意を見せた宿舎であり、日程です」と照れた様子で話した。

韓国のメディアは、一斉に「また出た、正恩氏の率直話法」と伝えた。4月27日に南北の軍事境界ラインにある板門店で開かれた首脳会談でも正恩氏は、文氏に「われわれの道路は不便です」「(訪朝は)飛行機で来るのが一番便利です」と提案し、韓国側を驚かせている。

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