元代表の戸田和幸が狙う「サッカー解説」革命

2002年日韓大会の「潰し屋」が知的な男に転身

解説者がひたすら話しているだけの映像コンテンツに、これだけの視聴者が集まったのだ。

その後、有料化に踏み切った10月16日のウルグアイ戦では、1000円という単価設定にも関わらず、800人もの視聴者が番組コンテンツを購入したという。

購入者に価格設定についてアンケートをとったところ、高いと答えた人が14%、妥当が50%。残り36%は安いと答えたという。つまり、86%がおおむね満足しているという状況に、戸田は確かな手応えを感じていた。

有料という壁を越えてきてくれた人が800人もいた

「現地映像も音声もなし。おっさんが話をするだけで1000円ですからね。僕は解説をはじめて5年目ですが、試合中の駆け引きやポジショニング、体の使い方など既存の中継の枠組みの中では、細かく言及できないことがたくさんあったので、そこに言及できる場を作ってみたかった。

そこに有料という壁を作って、僕が5年間積み重ねてきた解説に、期待を持って壁を登ってきてくれる人がどのくらいいるのかを試してみたかったんです」

もはや時代は変わり、情報は選ばれる時代になった。スポーツ解説だって、いろんな形があっていい。

戸田のような徹底した言語化を売りにした解説が人気を博し、さらに、有料コンテンツとしても視聴者からの信用を得たという事実は、今後の情報ビジネスのあり方に一石を投じたといえるだろう。レッドオーシャンの中でのビジネスチャンスの見つけ方を示した好例ともいえる。

サッカー解説のあり方を変えようとする戸田の挑戦は、日本にサッカー文化を植え付ける種まきのように筆者は感じている。

彼の解説が日本サッカーの未来をどう変えていくのか。

いつか裏と表が入れ替わる日がくることを楽しみにしたい。

(文中一部敬称略)

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