41歳で全て失ったライターが遂げた超復活劇

仕事がなくなる中での活路はネットにあった

「すごくモテて女の子とも遊び放題、浮気し放題でした。車も買っちゃいましたね。

そんな中、『だんだん大阪でやれることはやり尽くしたな』という思いが出てきました」

その頃東京では、みうらじゅん、根本敬、蛭子能収など雑誌『ガロ』(青林堂)で連載していた人たちの人気が上がってきた。

当時吉村さんは『街のおもしろい看板を見るスライドショー』を開催していたが、集客は100人程度だった。

みうらじゅんといとうせいこうが開催したイベントを見に行くと、テーマはほとんど同じだったのにもかかわらず800人ほど集まっていた。

「『なんで同じスライドショーなのにこんなに集客が違うんだ!!』って悔しかったですよ。今思えば100人も集まっていただいたら十分すごいんですけどね。それで『東京へ行こう!!』って決めました」

上京を嫌がる妻を無理やり説得し、東京にマンションを買って引っ越した。

「あこがれだった中央線沿いに家を買おうと思ったんです。それで値段と折り合いをつけて選んだ場所が八王子でした。しかも八王子よりさらに西の西八王子。当時は東京のことを全然知らなかったんですが、八王子は東京からものすごく遠いんですよね」

仕事が順調で家路につくことが減り、妻に異変が…

上京後は東京の出版社などから、

「一度一緒に仕事しませんか?」

とよく声がかかり、順調に仕事がきた。打ち合わせや飲み会も頻繁にあり、自然と家にはあまり帰らなくなっていった。

妻は根っからの関西出身の女性だった。外に出てもテレビからも聞こえてくるのはすべて東京弁、旦那は全然帰ってこない。

そのうちノイローゼになってしまった。

「妻の親から『出さへんから離婚届に判を押せ。預かっておくから』って言われたんですよ。仕方ないと思って押して渡したら次の日に提出されて離婚が成立してしまいました」

喧々囂々(けんけんごうごう)があったが、結局八王子のマンションを引き払わなければならなくなってしまった。

その後、念願かなって中央線文化の中心である高円寺に家を借りることになるのだが、それまでの間住む場所がなくなってしまった。

「妻が家を出る際、通帳と印鑑を持っていってしまったんですよ。すぐに新しい通帳を作ったけど、入金があるまでは一文なしです。

結果新宿でホームレス生活をすることになりました。東京の街を歩きまわって

『東京は、大阪と違って段ボール1枚すら落ちてないな……』

って思いました」

名もない小さい公園に野宿をすることもあったし、仕事をしていたミリオン出版や、トークライブハウス・ロフトプラスワンに泊めてもらう日もあった。

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