7月末に卒業発表をしたとき、「私自身の夢はまだまだ終わりだとは思っていません。『生涯現役』というのが今の私の目標です」とファンの前で宣言した。
生涯現役宣言には、どんな思いや覚悟が込められているのだろうか。
「要は息の長いアーティストになること。私自身が中島みゆきさん、松任谷由実さんが好きなこともあって。
その年齢だからこそ、すごく説得力のある曲や歌詞があるって思います。
音楽を通して人のためになるのが、私がやりたかったことなので、聴いてくれる方がいる限り、歌い続けたい」
浮き沈みの多い芸能界、さらには10年後の世の中を想像するのも難しい。
そんな彼女に、いまの日本で最も”生涯現役“を体現している、日本サッカー界の生きる伝説・三浦知良(横浜FC)も期待を寄せているという話が筆者の元にも飛び込んできた。
「あの子はいい歌を歌うね。頑張ってほしいね」
50歳を超えてもピッチで戦い続けるレジェンドにも、山本彩の歌は確かに届いていたのだ。
業界や職種、年齢の垣根を越えても、こうして彼女の音楽を聴いている人が確かにいる。こういった積み重ねが、生涯現役の実現につながるはずだ。
11月4日、ついにNMB48を卒業
「ついに、アイドル山本彩が完結します。皆さんが、その最後の目撃者です。一緒に最高の思い出、作ってくれますか?」
11月4日、大阪・なんばのNMB48劇場で卒業公演であるチームN「目撃者」公演が行われた。
ライブ後には、山本彩卒業セレモニーが行われ、NMB48全メンバーが集まり、8年間のアイドル生活に幕を降ろした。
「悔しい涙も悲しい涙もたくさん流しました。でも、その分、強くなることができました。今、思えば、それを青春って呼ぶのかなって思っています。本当に、この8年間いろんなことがありましたけど、胸を張ってアイドル人生は楽しかったと言えます。メンバーに、みなさんに会えて本当によかったです」
何色にも染まっていなかったアイドル不毛の地・大阪に多くの彩りを描き、駆けあがった。大きな山を登ったものにだけ、さらに登るべき山があることを見出すという。
それは、諦めてしまうような先の見えない困難な頂きなのか?
それとも、まだまだ成長出来るという希望の頂きなのか?
「挑戦してこそ豊かな人生」と語った裏には、挑戦なくして、彩り豊かな人生にならないことをNMB48の8年間が教えてくれた。
「決して簡単な道ではないとわかっています。でも、あきらめるつもりはありません。次に会うときは今以上の私で帰ってこられるように、これからも自分に厳しくやっていきます」
アイドルとして完結、アーティストとして始動する今、その未来にどんな頂きが待っているのだろうか。
山本彩の物語は、まだまだ止まらない。
(文中敬称略)
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