山本彩の再挑戦、8年越しに歩む終わりなき夢 アイドル卒業から広がる未来への旅立ち

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山本 彩(やまもと さやか)/1993年7月14日生まれ。大阪府出身。アイドルグループ・NMB48の1期生。劇場公演、TV番組、ラジオ、雑誌など多方面で活躍。将来の夢は歌い続けること(撮影:尾形文繁)

7月末に卒業発表をしたとき、「私自身の夢はまだまだ終わりだとは思っていません。『生涯現役』というのが今の私の目標です」とファンの前で宣言した。

生涯現役宣言には、どんな思いや覚悟が込められているのだろうか。

「要は息の長いアーティストになること。私自身が中島みゆきさん、松任谷由実さんが好きなこともあって。

その年齢だからこそ、すごく説得力のある曲や歌詞があるって思います。

音楽を通して人のためになるのが、私がやりたかったことなので、聴いてくれる方がいる限り、歌い続けたい」

浮き沈みの多い芸能界、さらには10年後の世の中を想像するのも難しい。

そんな彼女に、いまの日本で最も”生涯現役“を体現している、日本サッカー界の生きる伝説・三浦知良(横浜FC)も期待を寄せているという話が筆者の元にも飛び込んできた。

「あの子はいい歌を歌うね。頑張ってほしいね」

50歳を超えてもピッチで戦い続けるレジェンドにも、山本彩の歌は確かに届いていたのだ。

業界や職種、年齢の垣根を越えても、こうして彼女の音楽を聴いている人が確かにいる。こういった積み重ねが、生涯現役の実現につながるはずだ。

11月4日、ついにNMB48を卒業

「ついに、アイドル山本彩が完結します。皆さんが、その最後の目撃者です。一緒に最高の思い出、作ってくれますか?」

11月4日、大阪・なんばのNMB48劇場で卒業公演であるチームN「目撃者」公演が行われた。

ライブ後には、山本彩卒業セレモニーが行われ、NMB48全メンバーが集まり、8年間のアイドル生活に幕を降ろした。

NMB48メンバー全員とともに最後の劇場公演に駆け付けたファンの前で話す山本彩(中央)(写真:©NMB48)

「悔しい涙も悲しい涙もたくさん流しました。でも、その分、強くなることができました。今、思えば、それを青春って呼ぶのかなって思っています。本当に、この8年間いろんなことがありましたけど、胸を張ってアイドル人生は楽しかったと言えます。メンバーに、みなさんに会えて本当によかったです」

何色にも染まっていなかったアイドル不毛の地・大阪に多くの彩りを描き、駆けあがった。大きな山を登ったものにだけ、さらに登るべき山があることを見出すという。

それは、諦めてしまうような先の見えない困難な頂きなのか?

それとも、まだまだ成長出来るという希望の頂きなのか?

「挑戦してこそ豊かな人生」と語った裏には、挑戦なくして、彩り豊かな人生にならないことをNMB48の8年間が教えてくれた。

「決して簡単な道ではないとわかっています。でも、あきらめるつもりはありません。次に会うときは今以上の私で帰ってこられるように、これからも自分に厳しくやっていきます」

アイドルとして完結、アーティストとして始動する今、その未来にどんな頂きが待っているのだろうか。

山本彩の物語は、まだまだ止まらない。

(文中敬称略)

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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