「音楽の勉強も兼ねて行ってきたんです。アジア圏以外にも行ったことがなくて」
アイドルからの卒業を決断した今年5月、NMB48の山本彩が短いオフを利用して向かった先はアメリカ・ニューヨークだった。
「実際に行って基本的にギターや歌のレッスンを受けたりしました。
ブロードウェイのミュージカルやボン・ジョヴィさんのライブなど、本場のものに触れて『これは日本ではできない経験だな』と感じて、視野が少し広まった気がしました。これといって自分は何もしていないけど『ちょっと自信ついた!』って感覚がありました(笑)」
感性のアンテナを張り巡らせ、真っ白な状態で好奇心のまま自分の知らない世界に身を委ねる。感動的な出会いや気づきは、山本彩を前進させる力を与えた時間になった。
ずっとずっと目指してきた一歩
それは、“無限の可能性”の言葉から始まったソロデビューの時も同じだ。
2016年10月、ファースト・アルバム『Rainbow』でシンガーソングライターデビュー。
幼い頃からの夢を叶え、NMB48に加入した当初から掲げていた目標を達成した瞬間でもあった。
初のソロアルバムリリースについて、「ずっとずっと目指してきたシンガーソングライターへの一歩。今、制作真っ最中ですがまだ夢みたい。皆さんに伝えられる事が、本当に嬉しい」と自身のTwitterで喜びも語った。
悲願のソロデビューだったが、制作期間中に気づいたことがある。
NMB48でのキャプテンとしてのポジション、求められる役割に徹し、プロデュースされる事に慣れてしまった代償として、本音の自分を見失っていたことだ。
「キャプテンというポジションもあり、自分よりもグループやほかのメンバーのことを考える時間がすごく長かった。それが一気に自分のことだけを考える時間が増えて、思っている以上に自分のことを知らなかった。人から言われることで、『あっ、自分ってそうだったのか』と気づかされました」
試行錯誤を乗り越えて山本彩は、1stアルバムに収められている「レインボーローズ」という楽曲を生みだした。
後世に残したい自身の楽曲を挙げるなら? という筆者の質問にも迷わず選んだ1曲だった。
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