NMB48のメンバーとして、デビューをしてから8年間でのターニングポイントと話すソロ活動。
シンガーソングライターとしての飛躍の裏で、人知れず葛藤も抱えていたという。
それは、グループでもソロでも活躍する二刀流が可能な人間だからこそぶつかる壁なのかもかしれない。
「葛藤は、めちゃくちゃありましたね。ソロでやっていることで、『どっちも中途半端に思われたりはするのかな』って」
それでも山本彩がいない状況で、グループ内には自分の役割を見つけながら「グループでどうやって生きていこう」と気がつくメンバーも増えたり、ソロライブを通じて、メンバーに助けられていた事も実感したという。
ソロで得た経験を、グループにどう還元できるかを模索していた日々でもあった。
山本彩が素になれたニューヨーク
グループを卒業することを強く意識した理由として“AKB総選挙”を2年連続で辞退したことが挙げられている。
選挙を辞退した事で生まれた時間を使って初めてニューヨークに向かった。このまま井の中の蛙ではいけないと、刺激を求めて。
セントラルパークで何も構えずに、その場のノリでギターを片手に弾き語りを披露した。現地の人が立ち止まって山本彩の歌に耳を傾けた。
『イマジン』の記念碑で(ビートルズを)歌ってる人をマネしたりと日本ではなかなか出来ない経験もした。アイドルでもアーティストでもない素の時間を過ごしたことで見つけた方向性もあった。
「海外にいると余裕が持てるというか。決して日本が嫌とか、そういうことではなくて。海外で気を張らずに素の感覚でいられる状態の自分を、日本でもっと出せたらいいなってすごい思います。
日本と海外を行き来しながら、向こうのことも知って、それをまた持って帰って日本の邦楽の良さを知った上で曲づくりをしていきたい」
ニューヨークで見つけた新たな自信を引っ提げて、音楽活動での最大の挑戦と位置付けたMETROCK2018(メトロック)に出演した。
春フェスの代名詞ともいえるメトロックが大阪(5月19、20日)、東京(5月26、27日)で今年も開催された。4日間で延べ約8万6000人のオーディエンスが集まり、日本最高峰の音楽に酔いしれた。
出演アーティストにはback number、エレファントカシマシ、サカナクション、UVER world、ゲスの極み乙女。、MAN WITH A MISSIONなど、計44組の豪華なラインナップが集結しそこに山本彩も肩を並べた。
「ずっとフェスに出るのを目標として音楽をやっていた」と語り、念願の初フェスにて1曲目に披露した「喝采」が、“#メトロック2018の神曲決めようぜ”のハッシュタグで投稿された楽曲の中から、最も多くの票が集まった楽曲に選ばれた。
「アウェーの初フェスだったのでもっとこてんぱんにされるかなって思ったんですけど。自分自身が、その気持ちを払拭してステージに立ったというのもあります。
実際、今まで立っていたステージとは全然違うステージで、景色の違いに、すごい奮い立たされた感じがしました。『ああ、この感覚久しぶり』みたいなワクワクした感情に変わりました」
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