「つながる家電」化は白モノ家電を救うのか 加速する家電のIoT化、その可能性と限界

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11月にダイキン工業が発売するネット接続機能を標準搭載した最上位機種「うるさら7」(写真:ダイキン工業)

エアコンのネット接続が広まらないのは、そのメリットを感じにくいことも大きい。

一般に、つながるエアコンのメリットとして、外出時にもスマホを使って遠隔操作できたり、エアコンの使用状況を見える化(省エネ提案)が挙げられる。天気予報と連動した最適運転やAIスピーカーを介した音声操作を打ち出すメーカーもある。

見えにくいメリット

遠隔操作ができれば、今年のような猛暑のシーズンは、帰宅前に部屋を涼しくしておける。しかし、タイマーや終日運転でもある程度は対応可能で、アダプターを付けてまでつなげてもらうには力不足だ。

ダイキン空調営業本部・事業戦略室の萩原良彦企画担当部長は「(ネットに)つながることのユーザーのニーズはまだ見えてこない」と正直に認める。「つながることが当たり前になれば、あれもしたい、これもしたいというニーズが出てくるのではないか」と、つながる機能の標準搭載の狙いを説明する。

加えて、「データの活用がメーカーにとっての生命線になるとの危機感がある。グーグルやアマゾンがそこ(データ)を牛耳ってしまえば、われわれがただの箱になる」(萩原氏)という危機感もある。

メーカーからみると、エアコンがネットに接続されれば、ユーザーの利用データを入手できる。それを生かせば、新たなビジネスチャンスになる。

ダイキンの船田聡常務執行役員は「(つながるエアコンなら)エアコンが壊れそう(なタイミング)といったこともわかる」と話す。エアコンの修理依頼は、シーズンピークの夏場に集中する。事前に故障の可能性を検知できれば、修理のニーズを平準化できる。

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