「つながる家電」化は白モノ家電を救うのか 加速する家電のIoT化、その可能性と限界

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日立製作所グループで家電事業を担当する日立アプライアンスは11月、「つながる洗濯機」を発売する(記者撮影)

あらゆるモノがインターネットにつながる――。家電の世界も例外ではない。大きな方向性としてはおそらくその通りだろう。しかし、現実はそれほど単純ではなさそうだ。

中堅エアコンメーカーの富士通ゼネラルは、10月19日から1カ月間のキャンペーンを始めた。同社製エアコンのユーザーに、無線LANアダプターを無料でプレゼントする。

同社は2014年度以降に日本で販売した約400機種のエアコンにネット対応機能を持たせてきた。今年7月からはグーグルのAIスピーカーなど、音声操作の対応も進めている。

「つなげる」ユーザーはわずか

しかし、ネットに接続するには別売りの無線LANアダプター約1万円と工事費用約1万円を負担する必要があり、実際に「つなぐ」ユーザーはわずかにとどまっている(数値などは非開示)。このため、「遠隔操作の利便性を実感していただきたい」(富士通ゼネラル)として、アダプターと工事費を負担し、「つながる家電」化を促そうとしている。

「つながる家電」化の”強迫観念”に駆られているのは富士通ゼネラルだけではない。エアコン世界トップ級で国内家庭用2位のダイキン工業は11月、ネット接続機能を標準搭載した最上位機種「うるさら7」を発売する。

ダイキンもネット対応のルームエアコンをそろえてきたが、やはり別売りのアダプターと工事が必要なため、ネット接続するユーザーは対応機種購入者の約4%にとどまっている。

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