多くの20代が「自分世代は特別」と信じている 若手に「感性が違う」と言われたときの対処法

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しかし、です。本当に美意識は世代独特のものなのでしょうか。流行色が国際会議などで実際に流行る2年前に決まっているとか(流行するものを決めるというのも変ですが)、ファッションや音楽には流行にはサイクルがあって20年周期で繰り返している(確かに、’90年代のものが今再ブレイクしていたりします)などと聞くと、若者が言うほど世代によって独特の感性や美意識が本当にあるのかどうか疑わしく思えてきます。

人は経験から学び、感性も例外ではありませんが、実際今の20代ぐらいの若い世代が子供の頃から経験してきたものは、ほとんどが親世代など大人たち、つまり我々オッサン世代などが考えてきたものです。つまり、若者達が「私たちの感性」とか言っているものは、その上のオッサン世代が与えたものではないですか。だから、おおよそ20年周期で流行のパターンが繰り返されるのかもしれません。私は恥ずかしながらフェスなどに行ったことはありませんが、観客には20代が多いようですが、ステージに立っているのは結構オッサン世代ですよね。

なぜ、「私たちは特別だ」と言いたがるのか

上述のように、おそらく20代の言う「私たちの感性」は、本当はそれほどオッサンと違わない、むしろ、裏でオッサンから受け継いでいるものであるということは20代にとっては「不都合な真実」です。ですが、20代の若者の感性が独特である、個性的であるということが本当か否かということは、それほど問題ではありませんし(どうでもよい)、若者に嫌なことを言えばただ嫌われるだけですし、取り立てて言挙げし、まくしたてる必要はないでしょう。

我々がすべきことは「私たちはあなたたちと違う」ということをなぜ彼らが言いたがるのかという背景を理解し、適切な対応を取ることです。エリクソンのライフサイクル理論を見ると、20代というのは個性というものについての考え方がぐらついた不安定な時期に私には思えます。

前半はまだ思春期を引きずっていて、いわゆるアイデンティティの確立(自分は一体何者かということについての肯定的な確信)が精神発達上の課題である状況が続いている人が多い。自分を確立することは、他と区別することに近く、ひいては個性の主張につながる。「私は特別である」と言いたい時期ということです。

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