20代に共感するオジサンがキレられるワケ 「わかるよ」と傾聴したら「わかるはずない!」

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むしろ人は簡単に共感されると、ムカつく生き物なのである
30代~40代のビジネスパーソンは「個を活かしつつ、組織を強くする」というマネジメント課題に直面している。ときに先輩から梯子を外され、ときに同僚から出し抜かれ、ときに経営陣の方針に戸惑わされる。しかし、最も自分の力不足を感じるのは、「後輩の育成」ではないでしょうか。
20代の会社の若造に「もう辞めます」「やる気がでません」「僕らの世代とは違うんで」と言われてしまったときに、あなたならどうしますか。ものわかりのいい上司になりたいのに、なれない。そんなジレンマを解消するために、人材と組織のプロフェッショナルである曽和利光氏から「40代が20代と付き合うときの心得」を教えてもらいます。

共感しないといけない風潮は、いつから生まれたのか

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

さて、今回のテーマは「共感」です。部下と話をする際には、共感をしながら耳を傾けて聴かないと、相手は積極的に話す気になれないから、きちんと共感しようねという、マネジメント研修などを受けることになると、最初のほうに出てくる例のやつです。元はと言えば、カウンセリングの元祖とも言われるカール・ロジャーズの言う「共感的理解」が、マネジャーの部下に対するコミュニケーションでも重要だとなったものだと思われます。

会社は学校とは違い、年齢差が大きい集団ですから、オッサン、若者双方にとってぱっとは理解できないこと、共感できないことが多くて当然です。「だからこそ、積極的に共感しようぜ」というのが、よく言われていることなのですが、そんな努力にもかかわらず、実際にはタイトルのように若者には思われることが多いのが現実です。オッサンは一体どうすればよいのでしょうか。

まず、申し上げたいのは、嘘はいかん、嘘は、ということです。40代以降とかのオッサン世代が、本当に20代の若者のことを理解して、共感しているのであればよいですが、それは本当でしょうか。本当に本当でしょうか……嘘ですよね。

次ページ本来の共感は「シンパシー=同情」ではなく
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