「独裁者」川淵三郎が部下だけにみせた真の姿 3年目を迎えたプロバスケ「Bリーグ」の現在地
私が事務局長を務めている、男子プロバスケットボールリーグのB.LEAGUE(Bリーグ)は、おかげさまで年間250万人の方が会場を訪れ、試合を観戦してもらえるようになりました。
ここまでリーグが成長したのは、B.LEAGUEの初代チェアマンである川淵三郎氏の存在が大きいと考えています。
私の上司は川淵三郎
2015年6月1日に第一号社員として入社した私は、会社のルール策定をはじめ、人事採用、事業戦略作りなど目まぐるしい日々を送っていました。
基本は川淵さんが策定した「新リーグ構想」に基づき、協会、リーグが一体となって準備を進めていくのですが、事務局長である私へのオーダーは1つだけ。「開幕初年度は20億円を作れ」と、それだけでした。
「この数字が作れなければ新リーグを創る意味がない」と力強くおっしゃっていたことを記憶しています。
そして、この3年間で身にしみて、その存在のすごさがわかりました。川淵さんがいなければ、Jリーグも生まれなかっただろうし、 B.LEAGUEもしかり。
10年間も揉め続けた、男子バスケ2リーグの分裂問題をわずか9カ月で解決し、初年度の売上目標、入場者目標も達成できたのは、彼の強烈なリーダーシップがあったからこそいえます。現に川淵さんにはあらゆるスポーツ団体から組織改革への依頼が殺到していると聞きます。
拙著『稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである』でも詳しく解説をしていますが、私の感じた川淵さんのリーダー論を以下に記載したいと思います。
会議をひとつ例にとると、絶対に時間に遅れません。そして「聞く力」と「話す力」のバランスが絶妙で、発表者に対して絶対に「え、今、何と言ったの?」と聞き直しません。
また、重要な決断も早く、意見を言うときは多くを語らず、ストレートな想いを人の目を見ながらぶつけてきます。直球ゆえ理解しやすいのです。そして会議の最後には必ず「みんなのおかげでB.LEAGUEは順調だ。ありがとう」と感謝の言葉を忘れません。
開幕まで時間がないB.LEAGUEにとって、決断力がないリーダーは致命的。川淵さんはあいまいにすることなく、その場で決めてくれました。
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