「独裁者」川淵三郎が部下だけにみせた真の姿 3年目を迎えたプロバスケ「Bリーグ」の現在地
私は考えながら走ってきたタイプだったので、川淵さんに言われて気がつきました。「走りながら考えろ」と「考えながら走れ」この2つは、どちらも似たような意味ですが、「走りながら考えろ」は「走り」ありきで、行動を起こせ、そして全速力で走りながら考えろ、ということです。
何が違うか。スピード感がまったく違うのです。
川淵さんは案件内容やターゲットに合わせて、「これはお前たちで考えろ」とスタッフに完全委譲するものも多くありました。「何かあれば責任は俺が取る」……その覚悟で相手を信頼して任せる。
スタッフはその信頼にこたえようと問題意識をもって仕事に取り組む。そうすることで組織全体が成長できたように思っています。
スタッフが「以前はこうでした」と言ったら、川淵さんに「今までがどうだとか、絶対に言うな」と強く言われたことを覚えています。奇跡を起こすには過去の前例にとらわれてはならない、ということです。
今までと同じことをしていたら過去と同じ世界どまり。一段上のステージにあがるためには、失敗するリスクを恐れず、前例は自分たちで作る意気込みで取り組むこと。行動、決断、そのための前例は不要なのです。
川淵さんならどう考えるのか? どう行動するのか?
開幕まで1年2カ月。残された時間との関係で、絶対に失敗は許されない、川淵さんとの1回目のミーティング。ここで、事業の骨子すべてが承認され、スポンサーセールスなど対外的に動ける土台が整いました。
その後、川淵さんを見送ったのち、私は今までに感じたことのない不思議な感覚に襲われていたことを、今も鮮明に覚えています。
B.LEAGUEの立ち上げ準備を進めていくうえで彼の思考回路をインストールさせていただけたことは、お給料以上の価値がありました。
3年目を迎えるB.LEAGUEもついに10月4日に開幕しました。
川淵さんのリーダーシップ論、語録を通じて、彼のような熱い想いと、高い志をもってバスケ界発展のために果敢にチャレンジしていきたいと思います。
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