レイザーラモンRGがもがき達した無二の境地 「あるあるネタ」は偶然とハッタリで生まれた

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相方がブレイクしても妬かず、仕事に忙殺されても逆にヒマになっても腐らず、ひたすら前に出ていく原動力はどこから来るのだろうか?

「よく『ハートが強い』って言われますけど、そうでもないと思うんですよね。

考えてみると周りに過保護にしてもらう才能があるのかもしれませんね。さかのぼれば幼少時代からちやほやされて育ちました。

小さい頃は家族にちやほやされましたけど、今は周りの芸人さんやスタッフさんにちやほやされています。いつも『とにかくお前が頑張って何か作ったら、俺たちがなんとしてやるから』って言われるんですよね。

僕は何もしないのがいちばん悪いと思ってますから、損得勘定は抜きにして、とにかく前に出るスタイルを貫いていこうと思っています。いつも周りを信じて、周りを喜ばせるために頑張りたいですね」

とにかく前に出るスタイルを貫いていこうと思っている(撮影:風間仁一郎)

RGさんの話をうかがって、なんて生真面目な人だろうと感じた。聞けば、小さい頃から両親に仏教的な教えをたたき込まれたという。

今も因果応報を信じているので、“ズルい笑い”はしないようにしているそうだ。ズルい笑いとは、人のネタをパクったり、人をあまりにこき下ろしたネタなどだ。

また普段から、自転車が倒れていたらなおすし、トイレが汚れていたらきれいにするなど、ちょっとした善行を心掛けているという。

一つひとつは簡単なことかもしれないが、でもずっと続けるのはなかなかできることではない。

つまりRGさんは“すごく良いヤツ”なのだ。周りの人たち、芸人さんやスタッフがRGさんを助けてくれるのは、彼が“良いヤツ”だからだし、“良いヤツ”が言う「あるあるネタ」だから視聴者は共感を覚えるんじゃないだろうか?と思った。

思いついたらフレキシブルに、すぐ形にしていきたい

あるあるを生み出してからそろそろ10年が経とうとしている。RGさんは今後、どのような展開をしようと思っているのだろうか?

「今はあまり先のことは見てないですね。明日のことくらいまでしか考えてないです。

それこそ仏教の教えじゃないですけど、運命に逆らわないようにしてます。あんまり未来のことまで考えると、柔軟に動けなくなるような気がするんです。

明日、フッとものまねできるキャラが現れるかもしれませんからね。思いついたらフレキシブルに、すぐ形にしていきたいと思っています」

RGさんにはこれからも、あるあるネタや、斬新なモノマネで視聴者を楽しませてもらいたいと思った。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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