「対米従属論者」が見逃している吉田茂の素顔

天皇制を守った吉田の愛国主義とは?

1967年10月、日本武道館で行われた故吉田茂氏の国葬。弔辞を読むのは国葬委員長の佐藤栄作首相(写真:共同通信)

近年、「対米従属」批判を基調とする書籍が数多く刊行されている。さまざまなバリエーションがあるが、要するに戦後の日本はアメリカの意のままに操られている「属国」に過ぎず、そのような「対米従属」から脱却してし、真の「自主独立」を達成しなくてはならない、という主張である。

たとえば、元首相の鳩山由紀夫は、孫崎享と植草一秀との鼎談本である『「対米従属」という宿痾』(飛鳥新社)の中で、日本を「アメリカの保護領などと揶揄されるのではなく、真の意味で独立した国にしたい」と激しく語っている。そして、自らの政治活動を通じて、「なぜ独立運動とも言える革命的事業が成功しなかったのか、この本の鼎談の中で明らかにしていきたい」と述べ、鼎談の中で自らの政権が崩壊した原因が、アメリカとそれに「従属」することを甘受する日本人の態度にあることを主張している(孫崎享・鳩山由紀夫・植草一秀『「対米従属」という宿痾』<飛鳥新社、2013年>6-7ページ)

トランプ大統領の対日批判と酷似

このように、外国により自国が操作され、自国が〈真の意味で独立した国〉ではない、という批判、あるいは陰謀論は、数多くの国で見られる。興味深いことに、批判の対象とされているアメリカ国内でも、まさにトランプ大統領その人が、アメリカが日本により操作されて、国民の利益が損なわれているという批判を展開し、TPPから離脱したのは記憶に新しい。誰もが、自国が外国に操られているという陰謀論を展開するが、いったい誰が誰を操っているのか訳が分からなくなっている。

トランプ大統領の対日批判と、鳩山元首相の対米批判は、その独善性と自己正当化、他者に対する不信感、さらには適切なデータを参照しない感情論であることなど、驚くほど多くの共通点を持っている。いったいこれは、どういうことなのだろうか。

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