30歳看護師「激務で薄給」に耐える彼女の現実 精神科勤務、夜勤続きでも手取りは月24万円

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アカネさんが看護師になりたいと思ったのは高校3年生のとき。進路を決める時期としてはやや遅めだ。

「本当は美容師になりたかったんです。でも、そんな夢を親に言ったら絶対反対されるだろうと思って口にしたことはありません。そこから看護師になろうと思ったきっかけは当時、沢尻エリカさん主演のテレビドラマ『1リットルの涙』を見て、原作も読んだことです。看護師の対応により、患者の女の子の病状が変化する描写があり、看護師の影響力の大きさを知りました。

そこから私も、自分と接した人が生活しやすくなる仕事をしたいと思い、本腰を入れて看護学部への勉強を始めました。心理カウンセラーや養護教諭も考えていたのですが、親や親戚から『これからは看護師の時代だ』とか『看護師は国家資格だ!』と言われ、看護師の道へ進みました。でも、美容師も国家資格ですけど」

推薦で地元の県立大学の看護学部に無事合格。合格通知が来たのが12月だったため、3月の卒業式までの間は初めてのアルバイトをした。飲食店で週2回の5~6時間、時給は680円だった。

遊びとサークル、勉強、資格取得に励んだ学生時代

大学に入ると、今までの抑圧から開放されたかのようにとにかく遊んだ。ダンスサークルに入って朝までクラブを貸し切るイベントを主催しつつも、飲食店でのバイトに勤しんだ。バイト代は月8万円ほど。好きな服やダンスの衣装を購入することに使った。遊んではいたものの勉強も手を抜かず、単位を落とすことはなかった。

看護学部なので3年の後期から4年の前期にかけて実習もある。それと同時に卒論を書き、国家試験の勉強をした。また、アカネさんは地元の県立大学を卒業した後、養護教諭の資格を取るために東北の大学に1年間のみ通ったという努力家だ(通っていた県立大学では養教を取得できるシステムがなかったため)。

養教の資格を取るために通った東北の大学での1年間は、月7万5000円の仕送りをもらった。地方のため家賃は安く2万8000円だったが、残りの仕送りで生活費をやりくりするのは厳しいため、看護師のバイトをしながら資格取得に励んだ。

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