秋競馬、「アーモンドアイ」は牝馬3冠なるか 来週10月14日のGⅠ秋華賞が決戦の時

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翌年、マックスビューティーはメジロラモーヌと同じトライアルを含めた3冠完全制覇に王手を掛けたが、最終関門のエリザベス女王杯でタレンティドガールの強襲に屈して2着に敗れた。

2頭目の3冠は2003年のスティルインラブ。メジロラモーヌから17年後で、3冠の最終戦は秋華賞となっていた。スティルインラブは同期のライバルだったアドマイヤグルーヴを3冠ですべて破ったが、エリザベス女王杯ではアドマイヤグルーヴに敗れ、その後は勝ち星を挙げられなかった。

2010年アパパネはオークスでサンテミリオンとGⅠ史上初の1着同着。阪神ジュベナイルFも制し、古馬になってヴィクトリアマイルも勝ってGⅠ5勝を挙げた。

2012年ジェンティルドンナは3冠を制した後、古馬相手にジャパンカップに挑み、凱旋門賞2着から帰国初戦だったオルフェーヴルを相手に馬体を接しての火の出るようなたたき合いに競り勝って日本の3歳牝馬として初めてJC制覇の快挙を達成した。

その後は2013年にジャパンCを連覇。2014年にはドバイシーマクラシックも圧勝し、引退レースとなった有馬記念を劇的に飾ってJRA最多タイのGⅠ7勝を挙げて、後に顕彰馬にも選ばれた。

3冠を制した牝馬は過去に4頭だけ

過去、3冠を制した牝馬はこの4頭だけだ。牝馬は体調面の消長が激しく、気性の難しさもあり調整が難しいタイプが多い。3冠を制するには運も必要だ。ウオッカとダイワスカーレットは同期だったために互いが強力なライバルとなった。

追い込みのブエナビスタは小回りの京都2000m芝で行われた秋華賞で脚を余して2着に敗れて3冠はならなかった。巡り合わせや運にも恵まれなければ3冠を制することはできない。

3冠を制した4頭のローテーションに共通していることがある。まずは桜花賞のトライアルに出走していたこと。メジロラモーヌは4歳牝馬特別を制した。スティルインラブとアパパネはチューリップ賞2着。ジェンティルドンナはチューリップ賞4着だった。さらに秋華賞トライアルのローズSにも出走していた。メジロラモーヌとジェンティルドンナはローズSを制し、スティルインラブはローズS5着、アパパネはローズS4着から本番で一変した。

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