中野 ティーパーティは白人が中心ですよね。
渋澤 一般的にはそうですね。米国は移民国家として若い人口の増加によって繁栄してきたけれども、現在では白人がむしろマイノリティになりつつあります。米国の礎を築いてきた白人には、地方自治に対する意識が非常に強いと言えるかもしれません。米国初の黒人大統領であるオバマ大統領が掲げる社会主義的政策によって、自分たちの領域が侵されるという危機感が、ティーパーティ運動に結び付いたという側面も否定できません。
藤野 米国国内では人種のグローバル化が進んでいますからね。黒人だけでなく、中国人やインド人の非常に優秀な人たちが一旗揚げようと、米国を目指しています。
中野 でも、それ自体は悪いことではありませんよ。
渋澤 そう。新陳代謝が高い国は確実に強くなります。
中野 オバマ大統領とティーパーティの確執はいつまで続くのでしょうか。オバマ大統領がオバマケアをあきらめるわけがない。でも、ティーパーティもなかなか振り上げたこぶしを下ろすことができない。このままだと来年の2月に債務上限の引き上げをめぐって、また同じことを繰り返すことになります。
渋澤 でも、この一連のゴタゴタって、米国に限った話ではないと思います。手厚い福祉で財政赤字が拡大。景気対策は金融政策頼みでジャブジャブの金融緩和。これ、日本も同じですし、ほかの先進国にも当てはまります。
藤野 いつかはデフォルト。果たして今の日本が、その状況を想定しているのかどうか。でも、国債が紙切れになるという経験を、終戦直後の日本は実際に経験しています。
中野 戦後60余年の間に、日本人は洗脳されてしまったのですよ。デフォルトは夢物語であると。
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