渋澤 ほら、日本人は水に流すから。
中野 でも、実際に米国がデフォルトなんてことになったら、どうなるんでしょうね。
渋澤 それこそ米国の短期金利は急上昇するでしょうね。あとはドル売り。でも、こうなったら、この時点で、確実に「QE4ever」の世界になりますね。
中野 瞬間的にリーマンショックのような状況に陥ることも考えられますね。
渋澤 いや~、それよりももっと大きなショックが起こるはずです。米国の短期金利というのは、世界で最も安全な資産の金利でしょう。それが急上昇するということは、世界のリスクフリーレートの基準値が崩壊するという意味です。そのインパクトは半端ではない。
米国経済は、復活している
藤野 だから、お互いの意地の突っ張り合いで、米国がデフォルトに追い込まれるような事態にはならないと思いますよ。それに米国経済が持っている付加価値の高さから考えても、クラッシュはあくまでも一時的なものであり、このまま米国経済が沈没するようなことにはならないと思います。
中野 確かに、米国経済は復活に向けて徐々に力強さを増しているのは事実です。それも、かつてのようにインチキな金融立国を目指すのではなく、モノづくり立国を目指そうとしている。きっとリーマンショックでマインドがリセットされたのでしょう。そこにシェール革命が出てきて、米国の経済構造が大きく変わろうとしているのが、現状だと思います。
藤野 やはり米国経済はダイナミックですよね。実際、米国の中古住宅市場や労働市場は、着実に回復へと向かっています。こうした米国経済のダイナミズムを支える要素は3つあります。ひとつはたゆまぬイノベーションです。今、米国ではビッグデータが注目されていて、それに関連する企業にどんどん人が集まっています。その中には、かつてグーグルやアップルで働いていた人も大勢います。
2つめの要素は、こうした優れた人々を輩出できる、優れた教育システムを持っているということです。そして3つめに、優れた人材がいる将来が有望な企業に投資するエンジェルが大勢いるということです。エンジェルとは、自分自身が起業で成功を納めた人のことで、自分の資産の一部をベンチャー企業に投資するのと同時に、若い経営者に経営の指南もします。こうした要素が重なり合って、今の米国の強さが成り立っています。このトライアングルが機能し続ける限り、米国の時代は続くのではないでしょうか。
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