2018年8月8日に配信した「日本の高速道路は災害にどれだけ耐えうるか」でもまとめたが、今年はその後も災害続きで、高速道路受難の年である。また、ハッピーマンデー制度により秋は土日から月曜の祝日に続く3連休が多くなるが、その渋滞の長さも以前より目立ち始めている。今年9月の高速道路に関するニュースで感じたことをまとめたい。
海外でも衝撃の映像として紹介―関空連絡橋の通行止め
9月前半、観光関連の調査でスペイン南東部をレンタカーを使って巡る機会を得た。首都マドリードからスペイン第三の都市バレンシアを経てコスタ・ブランカのデニアまで、さらに地中海に浮かぶバレアレス諸島のイビサ島、マヨルカ島にも渡り、車で島内を縦横に駆けた。
島とはいえ、マヨルカ島は沖縄本島の約3倍、小ぶりなイビサ島でも淡路島ほどの広さがあり、島内の主要な都市は高速道路で結ばれている。夏の観光シーズンのピークを過ぎていたためか、全線にわたって渋滞に遭うこともなく、時速130kmの快適な高速走行を堪能できた。
そんなスペイン滞在中に二度、日本の災害の様子が地元のテレビニュースでも放送された。いうまでもなく、台風21号と北海道胆振東部地震の被災地の映像である。とりわけ、高潮に見舞われた関西空港の滑走路やターミナルビルの様子とタンカーが連絡橋に激突して空港が孤立した映像は、あまり情報がない海外で見ただけに一層戦慄を覚えた。
この原稿を書いている9月下旬の時点では、関西空港自動車道は上り車線を使った対面通行となっており、緊急車両、リムジンバス、タクシーなどを除く一般車両は通行止めとなっていた。空港へは鉄道や船のアクセスもあるので、人の輸送については代替手段があるが、関空のもう1つの柱である航空貨物の輸送には大きな影響が出た。たった6.6kmという短い路線だが、関西の経済にとって極めて重要な高速道路であることが改めて浮き彫りになっている(編集部註:10月6日からマイカーの利用は可能になった)
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