ニッポン放送が守り切る災害時報道の大原則

社員が1人になってもラジオ放送は続ける

有事に限らず、ラジオがつねに意識しておかなければならないこととは?(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)
震災などの大きな災害の発生時は、電気や水道だけでなく、情報もまた重要なライフラインの1つとなります。しかし、電気が止まればテレビやパソコンは使えず、スマートフォンも回線の混雑から十分に機能しない可能性も。そこで近年見直されつつあるのが、ラジオの存在です。
では、ラジオ局の現場では、災害発生時にどのような対応を行っているのでしょうか。ニッポン放送・編成局のシニアマネージャーである鳥谷規(とりたに ただし)さんにお話を伺いました。

災害時のラジオ局の役割

――過去何度かの震災を経て、災害時の情報源として、改めてラジオの存在意義が見直されています。

本記事はnews HACK by Yahoo!ニュース(運営:ヤフー)の提供記事です

ライフラインが絶たれて街が混乱状態に陥った時、被災者が最も欲するのは必要な物資がどこにあるかといった生活情報です。その点で、災害時におけるラジオ局の使命は重要と言えます。なぜなら、AMラジオは最もシンプルな機器で受信できる放送網であり、極論を言うと、ゲルマニウムラジオなら電池さえ使わずに聴くことができるからです。

だからこそ、ラジオ局は災害時でもとにかく発信し続けることを最優先に考えています。たとえば、1995年の阪神・淡路大震災では、ラジオ関西さんが倒壊した社屋から放送を続けました。この際、われわれも関東圏の視聴者に対し、家庭で余っているラジオを提供してもらうよう呼びかけ、被災地に届けています。後日、被災者の方から「助かった」「ありがとう」と、たくさんの感謝の言葉をいただき、災害時のラジオ局の役割を再認識させられました。

――昨年5月に開催された、災害報道がテーマのメディア横断ハッカソン「Tokyo Editors Lab」に参加されたのも、そうした意識の表れということですね。

「ニッポン放送では、過去の災害から学んだ知見を災害対応に生かしています」と語る鳥谷さん(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

そうですね。「Tokyo Editors Lab」でわれわれは、ラジオとアプリを融合させたツールを提案しました。というのも、これまでの災害を通して、被災地での情報不足はさらなる混乱につながると痛感させられてきたからです。

また、一定の支援が進めば、情報や物資だけでなく、被災者に元気を取り戻してもらうための取り組みも必要です。

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