親たちが信じる「継続は力なり」に感じる疑念 子どもだって「利」がないと動かない

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人は心を持っています。その心の状態を無視して、目に見える現象を強制的に変えようとしても難しいのではないでしょうか。相手の心の状態を無視して、命令されて作った“表面的”カレーは、気持ちがこもっていないため、もうカレーは作りたくないと思うのではないでしょうか。つまり継続したくなくなるということなのです。

重要なことは、「心の状態→行動」という形を覚えておくことです。

心が動かなければ、人は成果も出しにくいものです。たとえ、強制的に継続できたとしても内容のない形だけの“作業”になるでしょう。“作業”だけであればやってもやらなくても大して効果は変わりません。

でも、「そんなこと言われても、ではどうしたらいいのでしょうか」と思われるでしょう。そこで具体的な方法についてお話ししましょう。

子どもが「利」を感じるようにする

まず初めに次のことを知っておいてください。

一般に、「人は『利』がないと動かない」

人は、「利」がないと動かないのです。非常時以外は(非常時は『義』で動く場合があります)。逆に「利」があると、言われなくても勝手に動きます。この場合の「利」とは、お金のことだけではありません。楽しいということも「利」、上手になったと感じることも「利」なのです。この「利」を感じさせてしまえば、人は動くのです。

では子どもにとっての「利」とは何なのか? その「利」を感じるようにするにはどのようなアプローチをとればいいのか、それを考えてみてください。

たとえば、電気を消すとどれだけ電気代が節約できるかということを記録にして、1カ月間限定イベントを家族でやるとか、習い事に1回いくとそれをポイントにして成長を数字で表してグラフ化していくなど、さまざまな工夫が考えられます。そうすれば子どもが「利」を感じ、やってみたい、続けていきたいと思うようになる可能性が高まり、自然と継続するようになっていきます。

このような「利」を感じるような方法を試しても、もし続かないということであれば、そのこと以外の経験をする機会ができたと考えていくとよいのではないでしょうか。そこから何を読み取るかが、親の役目かもしれません。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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