11位のNTTデータ(61票)については「社風が良くわかる紹介があった」(理系・早慶大クラス)との声があり、社風が伝われば志望度が上がるようだ。同じく11位の富士フイルムには「事業の変遷がわかりやすかったから」(理系・その他国公立大)とのコメントが寄せられた。業容が激しく変化してきた同社のホームページには必要なコンテンツである。
13位伊藤忠商事(60票)には、「企業の由来や社員の方のエピソードなど、働く人の思いが伝わってきた」(文系・中堅私立大)との指摘があった。外部からは分かりづらい総合商社を親しみ深い存在として伝えようとしたことに好感が持たれたようだ。
14位東海旅客鉄道(JR東海、58票)も「学生目線の就活ページだった」(文系・上位私立大)と好評だった。企業情報だけでなく、学生が知りたいであろう、就活に関するアドバイスやQ&Aなども有効な情報だ。同じく14位の旭化成は「お会いした社員がインタビューに載っていたから」(文系・旧帝大クラス)と、リクルーターをホームページに起用したことが功を奏した。
16位は3社。三井住友海上火災保険(56票)には「爽やか。充実したコンテンツ」(文系・上位私立大)、三井住友銀行(同)には「キャッチコピーの斬新さが良かった」(文系・上位私立大)との声があり、両社ともデザインやコピーが評価された。ソニー(同)は「ユニークな人が多いという社風が表れていたように思う」(文系・旧帝大クラス)との印象だ。
19位にも3社が名を連ねた。アクセンチュア(55票)に対しては、「求める人材や情熱的な社風が伝わる」(理系・早慶大クラス)とのコメントがあるように、「外資=クール」という思い込みは勘違いといえそうだ。
日立製作所(同)については「ごちゃごちゃしてなくて見やすかった」(文系・中堅私立大)との感想があるように、事業領域が多岐にわたる巨大企業ほどわかりやすく見せるべきだろう。デンソー(同)には「カッコいい。スライドの表示の仕方、ムービーなど見せ方に工夫がある」(文系・上位国公立大)とのコメントがあった。ホームページと企業の技術力に直接の相関はないが、カッコいいと企業自体もよく見え、憧れになる。
採用サイトで「頭のよい企業」に見せる
上位の採用ホームページを見てきた。「印象の良い採用ホームページ」がそのまま志望に直結するわけではないが、多くの学生はわかりやすく、見やすく、カッコいいホームページを評価している。
たぶん多くの企業は、いくつかのホームページ企画の提案を受け、その中から制作会社を選定していると思う。その際に「自社の最もカッコいいことは何か」や、「スマートに遷移して頭の良い企業に見せるためにどうするか」などの問題意識を持ってほしい。問題意識を制作会社と共有して作れば、就活生に強い印象を与える採用ホームページになるはずだ。
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