ビジネスマンに必要な「数学センス」の磨き方 テスト勉強では身につかない、数学の面白さ

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平均して、雌鶏1.5羽が1.5日で1.5個の卵を産めるならば、6羽の雌鶏は8日間でいくつの卵を産むだろうか?

論理に沿って一歩一歩この問題にアプローチするために、その都度3つの変数のうち2つだけを2倍する。

まず、元の問題で示してあったことは以下のとおりだ。

・3分の2羽の雌鶏は3分の2日で3分の2個の卵を産む
 雌鶏の数を2倍する(けれども日数はそのままとする)。

・3羽の雌鶏が3分の2日で3個の卵を産む
 日数を2倍にする(けれども雌鶏の数はそのままとする)。

・3羽の雌鶏が3日で6個の卵を産む
 日数を3分の1にする(けれども雌鶏の数はそのままとする)。

・3羽の雌鶏が1日で2個の卵を産む
 雌鶏の数を2倍する(けれども日数はそのままとする)。

・6羽の雌鶏が1日で4個の卵を産む
したがって、8日間ならば、日数に8を掛ける(けれども雌鶏の数はそのままにする)と、必要とする結果を以下のとおりに得る。

・6羽の雌鶏が8日で32個の卵を産む

このプロセスのどのステップでも3つ以上の変数を同時に扱ってはいないことに注意しよう。そのおかげでかなりややこしい問題も簡潔になる。

ここで取り上げた2つの問題が必要とする論理的思考は、学校のカリキュラムからは外されがちだが、日常の問題を扱う際には本当に価値があるのだ。

割安なのはどちらか

割合の問題は難しくていつまで経ってもわからないという人は多い。そして悲しいことに、割合は学校でくどくどと教えられる。特に嫌がられるのは、同じ問題のなかで何度も割合を処理しなくてはならない場合だ。

この記事を通じて、そのかつての難問がうれしくなるほど単純な計算アルゴリズムになり、そのアルゴリズムのおかげで有益な応用方法が多く得られ、また連続割引問題に対する新たな視点がもたらされるなら、執筆者冥利に尽きる。ここで紹介する手順はよく知られているとは言えないが、皆さんを魅了するはずだ。手始めに次のような問題を考えよう。

チャールズはコートを買いたいと思いながら、ジレンマに陥っている。隣り合う競合店が同じブランドのコートを販売しており、定価は同じであるものの、2店が提示している割引は異なっている。
店Aは年間を通じてすべての商品を10パーセント割り引くとしているが、特にこの日はすでに割り引いた価格からさらに20パーセント割り引くとしている。店Bは負けじと、その日は単純に30パーセント割引を提示している。2店の割引価格はどちらがお得なのだろうか?
次ページ価格に差はあるか?
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