社員は継続的なフィードバックを求めるように
現代の消費者は、「エクスペリエンス(体験)」に対して高い期待を抱いています。これは、今日テレビ番組がどのように視聴されているかを見ればよく分かると思います。
ネットフリックスは予測分析を用いて、見るべき番組をユーザーに自動的におススメしており、ユーザーが見たい番組を選択し、評価システムを通じてフィードバックを送ることで、自らの体験をコントロールできるようになっています。しかし、視聴者がどの番組を見るか決める方法が、テレビガイド誌だけだった時代もあったのです。
かつては、仕事の状況も今とは異なっていました。たとえば、フィードバックが得られるのは年に1回、年次評価のときだけでした。現在では社員は、継続的な対話としてのフィードバックを求めており、フィードバックのやり方やタイミングにも自らが関与することを期待しています。
私たちは消費者として、環境をコントロールすることに慣れつつあり、その結果、理想的な「社員エクスペリエンス」がどうあるべきか、という期待も大きく変化しています。となれば、社員エクスペリエンスが、社員の幸福度と定着率を左右する差別要因となるのはまったく不思議なことではありません。
アメリカの「IBMスマーター・ワークフォース・インスティチュート」のデータによると、職場で最もポジティブな体験をしている従業員は、転職する傾向が3分の1にとどまることが明らかになっています。一方、企業の社員エンゲージメントを調査しているユーアンドイットによると、現在の職場での社員エクスペリエンスを満点と評価する社員は、わずか10%に過ぎません。
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