日本人の同僚とは政治の話が弾まない
エマニュエル : そういえば、フランスと日本での政治についての違いってまだ話してなかったよね。僕が日本で初めて働いたときに、日本人の同僚との昼食中、政治の話題を何も考えずにふってしまったことがあったんだ。
それは、こんな感じだったんだけど……。
僕「今の日本の政府の政策って、前政権のときよりもよくなったのか、それとも悪くなったのか、どう思う?」
同僚「……んー」
僕「……首相が代わったけど、今回の首相はどうだろうね?」
同僚「……」
僕「今の政府の経済政策って効果あるのかな?」
同僚「……ないんじゃない?」
それまでは普通に会話してたのに、なんか急に気まずい雰囲気になったんで驚いたんだよね。
くみ:うーん、確かに、なんか想像できる(笑)。
エマニュエル : この同じ質問をフランスで同僚にしたら、たぶんこんな感じになると思う。
僕「今のフランスの政府の政策って前政権時よりもよくなったのか、悪くなったのか、どう思う?」
同僚A「今の政府は増税することしか能がないよ。そのせいで企業が外国に逃げてしまってる。そもそもフランスは税率が高すぎなんだよ。30年以上続いている失業問題を終わらせるには、企業が採用と解雇をもっと柔軟にできるようにするべきだって、いつになったらわかるんだろうな。そもそもこんなの基礎だろうに、なんで政府はわからないんだろうね。成功してる国は、ほぼみんなこれをしてるというのに」
同僚B「そりゃ君みたいな右翼な自由主義者には金持ちから少しのお金をとるのは気に食わないだろうね。だからここ30年での貧富の不平等は広がるばかりじゃないか。何かを変えるために国民が政府に対して反逆するのを待てとでも言いたいのかい?」