40代でやっと悟った親との楽な「付き合い方」 親にだって親の人生や肩書がある

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スー:そこで、ちゃんと子どもとの距離が取れるお母様はすばらしいですね。罪悪感から身動き取れなくなる人のほうが多いと思うんですよね。

山田:そうですね。先日、引きこもり専門の精神科の先生と話していて、やっぱり同じようにおっしゃってました。

スー:どんな救助もそうですが、まず自分がしっかりしていないと人のことも助けられないじゃないですか。そこで自分の人生を優先して、「出てって、私も立て直すから」という判断ができるお母様はすごいですね。

山田:今考えたらそうなんですよね。普通の流れでいったら、お互い依存していたと思うんですよ。あそこでちょっと突き放されたのは、悪くはなかったかもと思います。

実は家を出てから2回しか親に会っていない

スー:不謹慎な話ですけど、お父様とお母様、どちらと残されたらハードですか?

ジェーン・スー(Jane Su)/1973年、東京生まれの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。2018年5月現在、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」のMCを務める。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ文庫)、『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)、『今夜もカネで解決だ』(朝日新聞出版)など。コミック原作に『未中年〜四十路から先、思い描いたことがなかったもので。〜』(漫画:ナナトエリ、バンチコミックス)がある(写真:新潮社写真部)

山田:僕は正直、どっちもハードですね。

僕ほんまに、もう何十年も親とまともに会っていないんです。引きこもって家を出て6年、それで20歳手前で大検取って、大学進学したくらいの時から現在に至るまで、多分2回ぐらいしか会ってない。

そのうち1回は娘が生まれた時に、ちょっと親孝行っぽいこともしないと駄目かなと東京に呼んで。ほんとそれくらい。だからジェーンさんの本を読んで、僕焦りました。確かに心の中にはあるんです。

はよ何かしてあげな、親死ぬなっていう気持ち。

とりあえず、奥さんと話したのは、ベタに温泉旅行とか行っとかなあかんのかなあって。だからといって、一緒に住むみたいなのは、ぞっとする感じはあるんですよね。

スー:一緒に住まないまでも、今までよりはまめに連絡を取らないとってなりますよね。

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