40代でやっと悟った親との楽な「付き合い方」 親にだって親の人生や肩書がある
引きこもりになった後、親が不倫
ジェーン・スー(以下、スー):山田さんのお父様はサラリーマンですか?
山田ルイ53世(以下、山田):うちは税関の職員です。母親も、もともと同じ神戸税関に勤めていて職場結婚。僕の父は粋でも格好よくもなくて、どちらかと言えば堅物で面白みのない人間です。
かろうじて、ジェーンさんのご家庭と共通点があるとしたら、親父が不倫したことくらいかな(笑)。
僕が引きこもりになった後だから、中学生半ばくらいの時。家族でご飯食べてたら、女の人から電話がかかってきて。しばしの不穏な沈黙の後、受話器から当時はやってた、ドラマ『東京ラブストーリー』のテーマ曲が聴こえてくる。
それが一晩の中に何回もというのが数カ月続いた。でもジェーンさんのお父さんの場合は、あまりどろどろした展開にならなかったみたいですね?
スー:私が生まれる前の話ですが、母親は呼び出されたりしたこともあったみたいですけど、「うちのがすみません」みたいな感じで出ていったと聞いています。本妻の強さのようなものを、すごく感じましたね。
山田:そこが違うなあと。僕の母は父の浮気相手の女性の存在が判明してからは、今まで見たことがない"女の感じ"を出してましたね。「きぃー!!」っていう。最終的には、何か取り乱して、自分が通ってる卓球教室のコーチと浮気してやるとか叫んでた。今思い出してもゾッとします。
スー:うちの母も嫌なものは嫌だったと思うんですけど、父のほうが6つ年下ですし、あまり取り乱せなかったのかもしれないですね。あと、なんやかんやあっても、父は母を一番だと思ってることが、周りから見てもわかっていたので。女の人の影がちらちらしてても、それが通常運転だと慣れちゃうんですよね。
山田:娘の立場でも、慣れるものですか?
スー:嫌な思いはもちろんしましたけど、小骨がのどに刺さってるような感じ。山田さんはどう感じてたんですか?