「ペルソナ5」のゲーム性に映る人生の広がり そこに海外RPGとは異なる自由度がある

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メインストーリーでは、主人公やその仲間たちが身近な人たちを救うために、障害となっている悪い大人たちを「改心」させることで進んでいく。

ストーリー上、最初の攻略対象は主人公が通う高校の体育教師である鴨志田である。

表面的にはスポーツマンらしいさわやかな態度を見せているが、実際には部員を奴隷のように見下しており、暴力的な指導が日常茶飯事である。

また、バレー部ありきの学校を守るために、ほかの活躍している運動部を潰そうと画策したりと、やりたい放題に振る舞っている。また、ハッキリした描写はないが、どうやら女子部員への性的暴行も行っているようである。

ところが、学校はそのことを知りながら鴨志田の暴挙を隠蔽している。競争の激しい私立高校にとって、バレー部は学校を宣伝するための大切な存在であり、とても頭が上がらないのである。

そんな状況で、鴨志田は学校を「自分の城」として認識している。そうした強い認知の歪みが欲望の城である「パレス」を生み出した。ストーリー冒頭で主人公が迷い込んでしまった城とは、鴨志田の認知上の学校なのである。

パレスはメインストーリーを進めるうえで避けられないダンジョンである。主人公はこのパレスを攻略することで、さまざまな歪んだ認知を持つ大人を「改心」させていくことになる。

RPG特有の戦闘は長くてかったるい?

本作はRPG(ロールプレイングゲーム)であり、パレスの中には「シャドウ」と呼ばれる敵キャラがいて、パレス攻略の中心はやはり戦闘となる。RPG特有の戦闘は長くてかったるいと、嫌う人もいるだろう。

だが、心配無用だ。『ペルソナ5』の戦闘は実に小気味いい。

RPGらしからぬオシャレなBGMと、洗練された戦闘システム、そして視線移動の心地よい画面で、RPGにおける戦闘の醍醐味は失わずに、ストレスなく戦闘を繰り返すことができるようになっている。

まずはパレス内で敵を発見したら、怪盗らしく、発見されないようにボタンを押して近くの壁や物陰に隠れよう。隠れた状態から攻撃に移れば、必ず先制攻撃を加えることができる。

敵には決まった弱点属性があり、その属性で攻撃して命中すれば、相手をダウンさせることができる。

1体でも相手をダウンさせると、再攻撃できる。その際、仲間と絆を結んで得られるスキル「バトンタッチ」があれば、その仲間に行動を譲れる。そうして攻撃権を得た仲間が、さらにダウンしていない別の敵の弱点を攻撃してダウンを奪えれば、また別の仲間にタッチをして……と、仲間と相手の相性次第では一方的に攻撃を続けられる。そしてすべての敵がダウンすれば、総攻撃。仲間全員による総攻撃で大きなダメージを与えられる。ザコ戦なら総攻撃まで持ち込めれば、ほぼ勝利は確実だ。

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