「テスト結果を賞与に反映」が失敗する理由

「点取り教育」の被害者となるのは子どもだ

大阪市長の発言によって教育現場に波紋が広がっています(写真:Fast&Slow / PIXTA)

「具体的にどうやってボーナスが決まるのか」「どのテスト結果がどの時点の評価につながるのか」「学力テストに該当しない教科の教員はどうなるのか」「結局現場にはどのような影響が起きるのか」――。

大阪市の吉村洋文市長が、「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果を来年度から校長や教員の人事評価に反映する制度を検討していると発言してから1カ月。大阪市の教員の間では、依然として混乱が広がっている。

テレビやネットメディアでも、吉村市長の発言の是非は大いに議論された。それらの多くは「そんなことでは子どもの学力は上がらない!」という批判的なものだったが、「成果に対応した報酬を与えることはビジネスでは当たり前」「アメとムチによって教師のモチベーションが高まる」とお思いの読者もたくさんいらっしゃるだろう。

制度の是非を問うのに必要な論点とは?

大阪市がこうした制度を検討している背景には、大阪市の学力テストの結果が小学校・中学校ともに全科目で全国平均を下回り、他の政令指定都市と比較しても最低水準となったことがある。吉村市長はその不名誉な現状を打破するために「劇薬」を投じようとしている訳だが、この制度の是非を問うには、2つの論点から整理する必要がある。

「学力テストの結果と教員の評価を連動させれば、児童・生徒の学力向上につながるのか」と、「学力テストの順位を高めることに意味があるのか」の2点だ。今回は、これらを検討するとともに、いま教員に本当に届けるべき価値は何なのかについても考えたい。

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